クラウド連動型のコンテンツは、事業者がサービスを停止するとコンテンツが見られなくなる。企業が敷いた独自の仕組みは、その仕組みが機能しなくなった際に、見直しに大幅なコストがかかることがある。あらゆる機能は永続的ではないことを念頭に置いた、サービス開発が求められる。

(写真/Shutterstock)
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 動画コンテンツのオンデマンド配信は便利であるが、いつ削除されるか分からないのが不安だ。時間ができたら見ようと思っていたドラマが、レギュラー出演していた女優の逮捕により、配信停止の憂き目にあったことがある。

 筆者が恐れているのは電子書籍だ。漫画のコレクションを紙の本として管理しきれなくなったため、電子化を決意したのが10年前。コツコツと集めて8000冊ぐらいになっている。10年前に、「なんでもかんでもアマゾンではよくないな。国産プラットフォームを応援だ!」と思ったのだが、いまさらながらにサービスが停止したらどうしようと戦々恐々としている。

 クラウド連動型のサービスは、つながり続けることができるメリットもある。一方で、提供者サイドは維持コスト、利用者サイドはサービス停止リスクと隣り合わせでもある。それは事業活動上しようがないことだが、昨年身につまされるような事案が報じられた。

 2022年4月、米国のあるスマートホームサービスが予告なく停止したのだ(i)。事業者は、Insteon社。約130万人の顧客は、自宅にある照明の制御について多くの機能を利用できず、経営陣とも連絡がとれなくなった。

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