遠隔地にいる人の手の動きを再現し、“握手”ができる「メタバースハンド」。ソニーの有志が開発しているロボットハンドは、テクノロジーを駆使し、アーティストとファンの間で行われる体験をより豊かなものにしたいという目的から生まれた。

 小学生ぐらいの子どもが握手をしている。子どもながらの親しみの表現なのか、握手する手を上下にぶんぶんと動かしている。同行しているお父さんはそれをほほえましそうに見ている。

 一方で、その様子をひやひやした目で見ている人たちがいる。ソニーグループのエンジニアだ。なぜ心配するのか。子どもが握手をしている相手は生身の人間ではなく、彼らが開発したロボットハンドだからだ。この握手会は、開発中のロボットハンドを活用したイベントだ。開発中の精密機器が、小学生の“ぶんぶん”によって壊れはしないかと気をもんでいる。

 エンジニアたちは、それと同時にほっとしてもいる。少なくとも、“忖度(そんたく)ゼロ”の小学生男子が、それを握手すべき「手」であると認識してくれたからだ。ロボットハンドが「手」として認識されないのは最悪の事態だ。しかし、子どもたちは楽しそうに握手をしている。

 このロボットハンドは、ソニーグループの有志が開発中の「メタバースハンド」だ。遠隔地にいるホストの手の動きを画像で解析し、遠方にあるロボットハンドを介して握手を再現する。ゲストは、ディスプレーに表示されたホストと会話しながら、機械でできた「手」、つまりロボットハンドと向かい合い、握手する。

ロボットハンドを介して、遠隔地の人と“握手”できる
ロボットハンドを介して、遠隔地の人と“握手”できる

 メタバースハンドは、相手が目の前にいるようなリアルな握手を実現する。そのために、随所に工夫がこらされている。

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