「面と向かって言うと角が立つ」「パワハラ・セクハラと感じられたらどうしよう」など、仕事やプライベートにおいて意見や質問をすることに気が引けてしまうシーンはよくある。そんなときに役立つのが、人と人との間に立ってコミュニケーションを円滑にする“お見合いおばさん”のような存在だ。

(写真/Shutterstock)
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 マッチングアプリなど、デジタルを活用したお見合いサービスがすっかり市民権を得た。筆者は使ったことがないが、話を聞いたことがある一社によれば、デートの声がけタイミングが適切かどうか、といったことまでアドバイスしているという。「どうやるんですか!? すごい予測技術ですね!」と驚き、仕組みについて尋ねたところ、早い話が“カンニング”であった。

 カンニングとはどういうことか。意中の相手をデートに誘おうとしている男性(仮称:鈴木)がいるとする。鈴木は、ソフトウエアに「今、誘っていいと思うか?」と尋ねる。それを受け、ソフトウエアは相手の女性(仮称:佐藤)に「鈴木君からデートに誘われたらうれしい?」と尋ねる。ソフトウエアは、佐藤からの回答を踏まえ、「うーん、今誘うのはちょっと早いかも!」と鈴木に答える。相手の回答を見た上で、対処法を示しているのだから、間違えない。

 「カンニング」というのは言い過ぎかもしれない。これは古式ゆかしい、“お見合いおばさん”の仕事そのものだ。適切な代理人に情報を集約することにより、取引が円滑になる。相手に直接言うのは気が引けるけれど、お見合いおばさんに対してならば安心して言える。先の事例では、代理人の役割を「お見合いおばさんロボ」とも呼ぶべきソフトウエアに担わせている。代理人を介すれば角が立たない。それが生身の人間でないならばなおよろしい、ということなのだろう。

 このようなソフトウエア代理人は、職場でのコミュニケーションにも使えるかもしれない。筆者は部下を持ったことがないが、面談で気苦労を重ねる同世代のビジネスパーソンは多い。質問すること自体が、パワハラ・セクハラと感じられたらどうしよう、という恐れがあるからだ。

 上長とすれば、プライベートな内容も質問しておいたほうが、業務上の判断・サポートもしやすい。たとえば、子育て中のメンバーを持つ上司であれば、「育児のサポート体制」「出張や残業の可否」「次の子の希望やその時期」などの質問が相当する。しかし、それらをセクハラと思われたらどうしようと思い、尋ねることにためらいが生じる。結果、双方に不利益が出る。

 だとすれば、ソフトウエア代理人を介して、事前にある項目を話題に載せてよいかどうか尋ねる、ということも考えられるだろう。許諾を得られている項目については尋ねるし、そうでない事項について上長は触れない。部下は不愉快に感じないし、上長もどこまで踏み込んでよいかどうかの心労が減る。

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