AI(人工知能)は例えるならば、仕事は早いが融通が利かない社員だ。業務との相性がよければ目にも留まらぬスピードで仕事をこなすが、「愚直で頑固」なため、人間が適切に指示出しをする必要がある。人類の仕事を奪う存在として恐れられてもいるAIの特性をビジネスで生かすためにはどうすればいいのだろうか。

(画像/Shutterstock)
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 まじめで仕事も早いが融通が利かない。「これやってね」と言うと、その仕事だけをひたすら続ける。抱え込まず、手の空いている人と仕事を分担してくれればいいのに1人でやろうとする。「この前やった仕事と同じ感じでよろしく」と伝えても、「前提が違うので分からないです」とつれない。仕事の優先順位が分からないから、緊急を要する業務についても「これが終わってからやろうと思っていました」などと言う。

 これは最近の新入社員の話ではない。AI(人工知能)の特性だ。AIは人類の専売特許だった認知・判断をソフトウエアが代替する。これから、会社のなかで、さまざまな特性を持ったAIがまるで社員のように働くことになる。AIは「人類の仕事を奪うかも」と心配されるほど、人類のような働き方をする。機械や自動車を社員に例えることはないが、AIはしばしば例えられる。

 絶対に分かり合えない人を相手にするときよりも、分かり合えると思っていた人を相手にするときの方がトラブルは生じやすい。AIは人類の社員に似ているが、異なる特性も多い。よって、あつれきも生じやすい。まさに職場の新人類。“A世代”の社員とでも呼ぶべき存在になるだろう。

 A世代には一般的な社員と同じように、長所と短所がある。彼らのパフォーマンスを十分に発揮させるためにはどのようなマネジメントが必要なのだろうか。A世代との働き方について、AI関連企業であるエクサウィザーズ取締役の坂根裕氏に話を聞いた。エクサウィザーズは、年間約250件のAI活用支援を行っている。それならば、A世代の人材開発と現場配置に関するノウハウがあるはずだ。

 坂根氏は「AIはともかく愚直」と言う。A世代は業務との相性がよければ人間なんて目じゃないくらいに仕事が速い。一方で、ともかく頑固で融通が利かない。処理の並列化、ジョブ処理の優先順位の設定、エラー発生時の対応などは人類社員が定め、適切に指示出しをする必要がある。

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