「水位が○メートルになったら」「降水量が規定を下回ったら」など、さまざまな“変数”に基づいて保険金が支払われるのが「パラメトリック保険」だ。一般的な保険は、損害や被害の規模を調査するのに時間がかかる。「今すぐ資金が必要」というニーズに応えられるパラメトリック保険は自然現象以外にも広がりを見せている。

川の水位を基準とした保険があるという(写真/Shutterstock)
川の水位を基準とした保険があるという(写真/Shutterstock)
[画像のクリックで拡大表示]

 高解像かつリアルタイムのデータを、安いコストで収集できるようになった。しかし、それを金に変えるためには、よきビジネスモデルとの良縁が必要になる。例えば、保険業界での動きが慌ただしい「パラメトリック保険」は各種データにとって良縁の一つだろう。

 パラメトリック保険は、その名のごとく「パラメーター(変数)」に基づいて保険金を支払うサービスだ。ソニーフィナンシャルベンチャーズも出資をしている英国のフラッドフラッシュ(FloodFlash)は、洪水にまつわるパラメトリック災害保険を提供する(i)(ii)。これはあらかじめ設置されたセンサーが川の水位を継続的に測定。保険会社と契約者は「川のこの箇所における水位が、○メートルになったら保険金が支払われる」という契約を締結する。この場合のパラメーターは「川の水位」である。

 これは通常の保険と異なる。保険というのはその原則として、被害を補償するものだ。よって、事故・災害が発生した後で損害の調査が必要になる。調査結果に基づき被害を算定し、その上で支払額が決定。この調査・算定には数カ月かかる場合もある。

 一方、パラメトリック保険は被害状況の調査を伴わない。パラメーターが特定の条件を満たすと自動的に支払いとなる。よって、支払いまでの待ち時間が少ない。ただし、被害算定を伴わないため実際の被害と比べて、実際に支払われる保険金が著しく少ない場合もある。

この記事は会員限定(無料)です。