利用が急拡大した携帯電話の電波資源は逼迫している。そこで、普段は利用していない周波数帯の電波を動的に割り振る方法が検討されている。用途を一度決めたらなかなか変えない「静的」な割り振りを時間帯やエリアによって動的に適用するという考えは、さまざまな分野で応用できそうだ。

(写真/Shutterstock)
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 「ダイナミック周波数共用」に関する議論が進んでいる。総務省が検討を進めているものだが、とても面白い施策だ(i)。概要を紹介しつつ、この考え方がさまざまな領域に適用できることを示したい。

 携帯電話などが無線で通信できているのは電波を活用しているからだ。電波は周波数帯によって特性が異なる。そのため用途と相性のいい周波数帯を使う必要がある。少し前に、携帯電話事業者が「プラチナバンド」という単語を宣伝文句として使っていた。バンドとは周波数帯のことだ。つまり、携帯電話と相性がいい周波数帯を使っていますよ、というメッセージであった。

 プラチナバンドのような考え方が出てくる理由はもう1つある。周波数帯は限られた資源だからだ。特定の用途・事業者が使っていると、他の用途に使うことはできない。野放図に使ってしまうと、電波が互いに干渉するなど不都合が起きる。そのため、この限られた天然資源である電波を適切に使うため、法律で厳しく利用が制限されている。

 利用が急拡大した携帯電話の電波資源は逼迫している。そこで検討されているのが冒頭の「ダイナミック周波数共用」だ。これは、本来特定の目的にしか使えない周波数帯を複数の用途で共用するものだ。むやみに共用すれば干渉問題が発生する。よって利用時間帯を細かく切って共用する。これまでは周波数帯の用途を一度決めたらなかなか変えない「静的」な割り振りだったが、時々刻々と用途が変わる「動的」な割り振りにするということだ。

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