「美人投票」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。コンテストなどを指すのではなく、れっきとした経済用語だ。経済学者のケインズは投資を「多くの人が選んだ“美人”に投資したものには“商品”がもたらされるゲーム」と見立てている。“美人”が投資対象であり、“商品”が利益だ。また、企業のパーパスや製品・サービスに賛同し、長期的な成長を確信して投資することは「美人応援」とも呼ぶ。様々なシーンでの「応援」と「投票」について考えてみた。

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 日経電子版で「美人投票」と検索すると、数十の記事がヒットする。日経新聞に人気巻頭グラビアがあるわけではなく、「美人投票」が有名な経済用語だからだ。

 そもそもは経済学者のケインズが投資行動を説明するために用いた。投資を「多くの人が選んだ“美人”に投資したものには“商品”がもたらされるゲーム」と見立てている。“美人”が投資対象であり、“商品”が利益だ。

 野村証券のウェブサイトにある証券用語解説集にも掲載されている。そこでは、「各投票者は、自身が最も美しいと思う写真を選ぶのではなく、他の投票者の好みに最もよく合うと思う写真を選択しなければならないことを意味する」と説明されている 。

 さらにわかりやすくした説明が、ある投資銀行家による「美人応援と美人投票は違う」という表現だ。ある企業への投資を考えたとき、その企業のパーパスや製品・サービスに賛同し、長期的な成長を確信して投資するのが「美人応援」。一方、みんながその企業に投資するだろうと考え、だったら自分も相乗りして利益を得ようというのが「美人投票」だ。

 一見すると、投票よりも応援のほうが、適切なふるまいのように見える。しかし、投資対象への「応援」を伴う資金だけではなく、私利のために「投票」される資金も資本市場に流れ込むことによって、資本市場はその厚みを増す。

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