不動産業界に特化したデータ流通企業である米国のチェレは、不動産以外のデータも膨大に収集し、契約企業に提供する。一見、無価値に見える情報も、地道な整理や加工を行うことで新たな価値を生み出すことができるのだ。

(写真/Shutterstock)
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 チェレ(Cherre)は、不動産業界に特化したデータ流通企業だ。全米1億8000万件の物件に関するデータを、不動産の売買や投資を行う事業者に提供する。2016年に創業した若い企業であるが、20年までにインテルキャピタルなどから25億円相当の資金を調達。21年4月には新たに50億円相当の資金調達を発表した(i)

 チェレは不動産業界においてどのような役割を果たしているのだろうか。

 不動産の価格に影響を及ぼす要素は多岐にわたる。「不動産価格は属性の束」ともいわれるほどだ。チェレは不動産価格の評価を行おうとする事業者のために、属性の束を構成する多種多様なデータを使いやすい形に整え、利用のお膳立てをする。

 チェレ自体が大量の一次データを生成しているわけではない。50を超えるデータ提供事業者と連携している(ii)。データ提供事業者としては、従業員給与に関するデータを保有するADP、エアビーアンドビーの予約状況データを保有するAirDNA、施工事業者や都市計画上の建設制約データを保有するBuildZoom、4000以上のデータセンターのデータを整備するdatacenterHawk、携帯電話由来の人流データを保有するUnacastなどが含まれている。

 人流データが含まれていることからも分かるように、一次データ提供者のすべてが不動産業だけを対象としたものではない。チェレはこれらのデータを不動産業界の観点から整理・統合し、使いやすい形で提供するという役割で価値を出しているのだ。

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