今後、医療がどのように進化していくのかを示した「P4医療(P4 Medicine)」。その意味や背景をひもといていくと、実は商売の世界における変化と共通の課題を抱えていることが分かる。

(写真/Shutterstock)
(写真/Shutterstock)

 医療の世界に「P4医療(P4 Medicine)」という言葉がある(i)。今後、医療がどのように進化していくのかを「4つのP」によって示したものだ。米国の生物学者リロイ・フッド博士が提唱した。具体的には「個別化」(Personalization)、「予見」(Prediction)、「予防」(Prevention)、「参加」(Participation)を意味する。

 「個別化」とは、それぞれの患者の体質に合わせた治療を行うことを意味する。例えば、同じ薬であっても副作用が出やすい体質の人もいる。あらかじめそれぞれの人の体質を把握することができれば、より適切な治療方法を選ぶことができる。

 「予見・予防」は何か。これまでの医療は病気になった患者の訴えを受けて対応するという、受動的対応が中心であった。今後は病気の兆候を「予見」し、病気になりにくくするための「予防」に注力すべきである、という考え方だ。

 医療における個別化・予見・予防の重要性はよく分かる。しかし、これら3つと並んで「参加」という概念が示されているのは面白い。参加とは、治療や健康維持のために患者がより主体的に関与することだ。

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
4
この記事をいいね!する