健康⾷品を試してみたが、特に変化を感じられないから途中でやめてしまった。こんな経験をお持ちの⼈も多いだろう。名古屋大学発のベンチャー企業・ヘルスケアシステムズは、そんな悲しいすれ違いを防ぐための検査ソリューションを提供する。体質に応じた健康食品やサプリメントを紹介するという、ヘルスケア領域のカスタマーサクセスについて事例を交えて紹介する。

 豆乳や納豆は体に良い。それはなぜか。原料の大豆に多く含まれている植物性タンパク質やカルシウムなどに加え、大豆イソフラボン(以下、イソフラボン)が含まれることも理由のひとつだ。イソフラボンの分子構造は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの構造と似ており、体内で似た役割を果たす。そのため、不足するエストロゲンをイソフラボンによって補うことができれば、骨粗しょう症の予防などに有効だ。このような話は、テレビの健康情報番組や、女性誌の健康特集などでもよく取り上げられる。

 ところが、イソフラボンの作用は人によって大きく異なる。イソフラボンから生成されたエクオールという物質が大きな役割を果たすのだが、体質によってエクオールを生成できる人と、生成できない人がいるためといわれている。生成できる人の割合は人種や性別などにより異なるが、日本人全体ではおよそ半数の57パーセントは生成できない。

 自分はエクオールを生成できるのか、それを簡単な検査で明らかにするのが、ヘルスケアシステムズが提供する「ソイチェック」だ。Amazonなどで検査キットを購入し、少量の尿を採取。それを返送すると2週間程度で検査結果をウェブで確認することができる。検査結果では、エクオールの生成状況に関する計測結果と、5段階のどのレベルに位置するかが示される(下図)。キットは約4000円。ソイチェックをはじめとした検査ユーザーの数は、2012年の事業開始後、20年末までに累計40万人にのぼる。

尿に含まれるエクオールの量によって、5段階で示される
尿に含まれるエクオールの量によって、5段階で示される

 ヘルスケアシステムズ(名古屋市)は名古屋大学発のベンチャー企業だ。同社は、「エクオールをもっと簡単に測定できる装置をつくれない?」という大学教授からの相談をきっかけに、簡易な検査キットを開発。それまでは、1回3万円以上のコストと、専門施設に行かなければ検査不可能であったエクオールについて簡便・低コストで検査できるサービスを開発した。

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