アプリを使うとき、何気なく「承諾」をしている位置データの提供。このデータが複数社を経由して米軍にたどり着き、テロ容疑者を殺害するという衝撃的なニュースが報じられている。広告の最適化をしたつもりが、会社を潰しかねないリスクに発展する可能性は、決してゼロではない。
嫌な話が、海外メディアで報道されている。
スマホのアプリを介して収集されたデータが、いくつかの企業を経由して米軍によって購入され、米軍の特殊部隊がドローンでテロ容疑者を殺害している可能性がある、というものだ(i)。
話の中心にあるのは、エックスモードという位置データの収集・販売を行う事業者だ(ii)。エックスモードは位置データを収集するためのツールを、天気予報や位置案内など、位置データの取得に合理性があるアプリを開発する企業に提供。アプリ開発企業は、ユーザーから位置データの収集について同意取得する。もちろんエックスモードへの提供についてもここで同意が取得される。
そして、アプリ開発企業は対価を得る。エックスモード社のサイトに設置された報酬の目安を計算するツールによれば、その対価は100アクティブユーザーあたり月に3ドル程度のようだ(iii)。同社CEOのジョシュ・アントン氏が2020年に報道機関のインタビューに答えたところでは、400アプリで用いられている(iv)。
エックスモードは、広告配信の最適化などを目的とするデータ活用企業などにこのデータを販売する。全米のデータに関する商業利用ライセンスは、カタログ価格年間60万ドル(約6000万円)にて提供している(ii)。 利用者は好き勝手にそのデータを使って良いわけではなく、エックスモードは収集した位置データを個人情報と結びつけることは契約上認めていない(v)。
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