社員数56人のメーカー「生出」は、火災を契機にBCP(事業継続計画)の重要性を痛感。同業他社と相互支援協定を締結した。単体では弱い中小企業が生き残るためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)を駆使して他社と連携し、共存共栄を図ることが得策ではないだろうか。

 東京都西多摩郡に本社を置く生出(おいずる)は、包装資材の製造を営む社員数56人の企業だ(i)。生出はかつて火災に見舞われたが、同業他社が生産の肩代わりをしてくれたおかげで、顧客に対する供給を継続することができた。そして、それを契機として事業継続の重要性を認識。その一環として、同業他社5社と相互支援協定を締結している。これは、生産情報を共有することによって、有事の際の代替生産を可能としたものだ。

 面白い点は、このような事業継続性の確保が取引先からも評価され、営業上の訴求点にもなっていることだ。例えば、同社から一社調達を行っていた販売先が、安定供給のために調達先を分散しようとした。その際、同社の相互支援体制を知り、調達の見直しを見送ったという。

中小企業同士が手を組めば、大企業に伍(ご)して渡り合うことも可能だ(画像/Shutterstock)
中小企業同士が手を組めば、大企業に伍(ご)して渡り合うことも可能だ(画像/Shutterstock)

 本事例は、筆者のお気に入りの事例だ。余力に乏しい中小企業が、通常であれば競合にもなり得る同業他社との間で「共助」を図ることによって、安上がりかつ営業にも訴求力のある事業継続プランを実現している。