ゲームソフトで「上のライトを見よ」と言われたら、あなたはコントローラーを上に倒すだろうか、それとも下に倒すだろうか。その違いを自動的にゲーム設定に反映することができれば、遊びにくいと思われることはない。こうした問題を上手にクリアするアイデアがある。今回は、いかにスムーズに製品やサービスになじんでもらうかについて検討する。

家庭用ゲーム機向けのタイトル「HALO(ヘイロー)」は、主人公のキャラクターが人気。このゲームの冒頭でユーザーに投げかけられるセリフに注目すべし(写真/Shutterstock)
家庭用ゲーム機向けのタイトル「HALO(ヘイロー)」は、主人公のキャラクターが人気。このゲームの冒頭でユーザーに投げかけられるセリフに注目すべし(写真/Shutterstock)

 「上のライトを見てくれ。よーし次は下のライトだ。」――。これは、家庭用ゲーム機「Xbox」向け人気タイトル「HALO(ヘイロー)」の冒頭シーンで、必ず一度ユーザーに投げかけられるセリフだ(i)(ii)。ユーザーはこの指示に従って操作を始めることになる。

 この指示を聞いたユーザーは、コントローラーのスティックを上に倒す人と下に倒す人に分かれる。この違いは一人称視点のゲームではよくある話だ。というのも、人によって「上を見る」と指示されても、しっくりとする操作方法が異なるために生じる(iii)

 順当に考えれば、上を見るのだからスティックは上方向へ倒すの当たり前なのかもしれない。しかしながら、体を後ろにのけ反らさないと上のライトは見えないという考え方もある。この場合、確かに下方向へ倒すやり方になる。このように、人によってしっくりくる操作は異なるのである。

 HALOの冒頭で「上を見よ」という指示が出されるのは、ユーザーが一体どちらにしっくりするのかを確かめ調整するためだ。初めて遊ぶ際に特定の操作を促し、ユーザーがとっさに行った、すなわち最もしっくりくるやり方を標準設定に登録する。後で設定画面を通じて選択してもらう方法も悪くはないが、ゲームの一環で自然に初期設定を完了させた方がユーザー体験としては滑らかになる。

新型節電義手の習熟プロセスも

 この考え方には類例がある。「筋電義手」における初期設定についても同じだ。

 筋電義手とは、外観を補うための装飾用義手とは異なり、自らの意思で操作できる義手のこと。筋肉を動かそうとするときに発生する微弱な電流を使って動作させる。その歴史は古く、国内では20年近く開発されてきた(iv)。うまく使いこなせるようになれば、紙コップを潰さずに持ったり、靴ひもを結んだりまでできるようになる。