旅の高度化を目指す「トラベルテック」関連では昨今、スタートアップ企業の育成や投資活動が盛んだ。米国では2014年から18年に、トラベルテックに特化したインキュベーターの数は3社から16社に増えている(i)

旅を高度化するスタートアップ企業が世界各地に生まれている(写真/Shutterstock)
旅を高度化するスタートアップ企業が世界各地に生まれている(写真/Shutterstock)

 トラベルテックでは、どのような企業が主体となった取り組みがあるのだろうか(ii)。旅行業における“テクノロジー・ジャイアント”である米ブッキング・ドットコムは、「ブッキング・ドットコム・ブースター」というスタートアップ育成プログラムを運営している。独SAPに買収された米コンカーも、「パーフェクト・トリップ・ファンド」を1.5億ドル規模で運営している。

 もちろん、既存の大手エアラインやホテルチェーンによるものも多い。米国の格安航空会社であるジェットブルーが運営する「ジェットブルーテクノロジーベンチャーズ」や、英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)による「ハンガー51」などが相当する。IAGは英ブリティッシュ・エアウェイズなどを擁するエアライングループである。

 これらの事業者は、具体的にどのようなスタートアップ企業に対して支援や投資を行っているのだろうか。例えばブッキング・ドットコムは、自然言語処理技術を持つイスラエルのエバチュアを買収している(iii)。こうしたサービスの基盤となるような技術を持つ企業への投資もあれば、旅に関する個別かつ具体的な課題を解決するスタートアップ企業への投資も行われている。

 ジェットブルーテクノロジーベンチャーズの投資先を見ると、紙のバウチャーの電子化支援を行う米リディーム、ロストバゲージが発生した際の対応効率化を行う米ユニコエアロ、オーバーブッキング時の対応を代行する米ボランティオ、ピンポイントの気象情報を提供する米クリマセルといった事例が並ぶ。もちろんダイナミックプライシングや、旅先の現地通貨をすぐに使えるようにする決済サービスの提供事業者なども対象となっている(iv)

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