今回は、がっしりと地に足の着いたテクノロジー活用の好例を2つ紹介したい。1つは日立システムズが提供する「カメラ利用型メーター自動読み取りサービス」だ。もう1つは、ゼネコンが建設現場で朝礼とITを融合させようとする事例である。

工場などにあるアナログメーターを正確にかつ低コストで読み取る意外なアイデアとは (写真/Shutterstock)
工場などにあるアナログメーターを正確にかつ低コストで読み取る意外なアイデアとは (写真/Shutterstock)

 世の中には、たくさんのアナログメーターがある。針が目盛りを指し示すタイプのメーターが代表的であり、通常は作業員が巡回してそれぞれのメーターを目視して数値を記録したり異常がないか定期的に確認したりしている。

 IoT(インターネット・オブ・シングズ)全盛の現在、設備全体のデジタル化を進め、メーターの状況をリアルタイムに捕捉できるようにしたいと考える企業は多い。ただ設備の計測機器を全て入れ替えると、大規模な投資が必要になってしまう。また大量のメーターを入れ替えるために、一時的にせよ設備を停止するのは負担が大きい。

 以下に紹介する日立システムズのアイデアは、こうした問題を簡単に解決するものだ(i)。アナログメーターの前に小さなカメラと無線送信ユニットがセットになったものを配置し、カメラでアナログメーターを撮影して画像として送信するのだ。受信したパソコンでAI(人工知能)を使って画像解析して、メーターの数値を読み取って記録する。運用費用は1メーター当たり月額500円と比較的安価に利用できる。

 派手さのない画像解析システムだが、さまざまな形があるアナログメーターのいずれでも正確に数値を読み取ってデータ化できる仕組みであり気が利いている。AIは簡単に言えば、人間の認知・判断を代行するソフトウエアである。日立システムズのアイデアはシンプルな形で認知・判断に特化したAIを用いるものであり、人手不足が叫ばれる中で的を射ている。

 続いて、もう1つのゼネコンが建設現場で朝礼とITを融合させた事例を紹介しよう。建設現場では、多くのパートナー企業が参加することから、指揮命令系統は多層的なものになる。大型プロジェクトになれば、現場で作業をする企業が300社、多いときには1000社を超えることも少なくない。

 こうしたことから、情報伝達で不備が生じやすい。例えば、指揮命令系統の上流に位置する事業者が図面を更新したにも関わらず、実際に作業を担当する事業者まで届かないようなケースがそれだ。結果として、古い図面に基づいて誤った施工をしてしまい、手戻りが発生。工期の延長やコストの増大につながってしまう。

 こうした課題を解決するべく、あるゼネコンの担当者は「ITの活用で朝礼を変えたい」と考えた。工事現場での朝礼といえば、ラジオ体操や事務的に注意事項を伝達するのが一般的。このゼネコンの場合、「スマホを用意して、QRコードの確認をせよ」というプロセスを組み込むことにした。

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