「最近いいチャットボットあった?」と聞かれたらなんと答えるか。これはセンスが問われる質問だ。そのような問いかけに備えるべく、3つのクールなチャットボットを紹介したい。
1つ目は米クラララボ(Clara Labs)が開発する「Clara」だ(i)。
「ソフトウエア秘書Clara」とも呼ばれるこのチャットボットは、日程調整に特化している。具体的な手順はとても単純だ。メールにて日程調整の必要が生じたときに、CCにClaraのメールアドレスを入れるだけでよい。文面を理解したClaraは、参加予定者の空き時間や、会議室の空き状況を踏まえて、日程調整のメールを送る。候補日を提示し、それぞれの参加者の参加可否を把握し、最も望ましい時間帯に会議を設定し、参加者への通知までを行う。
社内会議のように、それぞれの人の予定が一覧できる状況であれば、それほど難しいことではない日程調整も、社外の人との面談といったスケジュールを一目瞭然にするわけにはいかず面倒だ。開発元によれば、1回の会合のスケジュール調整を行うには平均7通のメールがやりとりされる。Claraはその時間を狙うべき“原資”としてサービス提供を進める。これは日本語対応がなされるのであれば、あすにでも使い始めたい一品だ。
2つ目はさまざまな国内のスタートアップコンテストを総なめにしているSuper Duper(東京・港)の「Satisfood(旧称HeY)」だ。これは、訪日外国人向けの「チャット型AIレストランメニュー」である(ii)。
日本食に対する期待は高いにもかかわらず、訪日外国人の「爆買い」はあっても「爆食」は起きていない。なぜか。その一因は、料理を外国語で説明することは難しいからだ。ましてや、地元民が舌鼓を打つような、相性の良い食い合わせのオススメは至難の業だ。結果、「取れたてのアジのたたきと地元の銘酒」を頼むことなく、「初日に食べることができた」という経験だけで焼き鳥と焼きおにぎりを頼んでしまう。店員も英語で説明できる自信がないため、なじみ客にするような接客はできない。これでは注文は増えず、店としても売り上げが伸びない。
そこで、Satisfoodはユーザーが気に入りそうな料理を提案する。5カ国語に対応する。ベジタリアンなどで食べられないメニューがある顧客には、事前に設定しておけば、その制約を踏まえて提案をする。店員の負担も減るし、顧客も喜ぶ。
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