今冬に猛威を振るったインフルエンザ、その流行予測には湿度データがカギを握るという。マーケターが知りたい消費者の購買意向を知るには、金融機関が保有するデータにもっと着目すべきだ。異分野のデータ活用は大きな成果を上げる可能性を秘める。

(c)Shutterstock
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 インフルエンザの感染拡大予測に取り組む、研究者の話を聞いた(i)。予測精度の向上は気象の専門家との共同研究によって取り組んでいることが印象的であった。なぜ気象の専門家なのか。

 インフルエンザは湿度が高いと感染しにくい。そのため、湿度予測を感染症の拡大予測モデルに組み込むことで、数週間先までの予測精度を高められるという。餅は餅屋で、湿度の予測については気象の専門家の力を借りようという取り組みだ。

 さらに面白かったのが、高い精度での感染拡大予測をどのように生かすか、という構想だ。ある地域でインフルエンザ患者が大量発生すると、人工呼吸器が足りない医療機関が出てくる。インフルエンザ患者は重症化すると肺炎になり、重い肺炎にかかった場合には人工呼吸器が必要になるためだ。

 感染拡大を予測できれば、地域の人工呼吸器を特定の大規模医療機関にあらかじめ集め、重篤なインフルエンザ患者はそこで一括して対応する、という施策が取れる。いざ人工呼吸器が足りなくなってからではそのような対応は取れないため、早い段階での予測が効果を発揮する。世界の感染症と戦う研究者は、「予測は準備を整えるための猶予時間をつくることだ」といった。