
トヨタ物語2020―変革の現場
「100年に一度の大変革の時代」に「モビリティに関わるあらゆるサービスを提供する会社」への変革を標榜するトヨタ。“生きるか死ぬか”を懸けて取り組むのが「販売の現場改革」だ。ニーズが大きく変化する顧客との接点をカイゼンできるのか。『トヨタ物語』著者・野地秩嘉氏が、その苦闘の歴史と最前線を追う。
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第38回2019.10.10自動運転でも解決できないドライバー不足 トヨタはどうする?トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第38回は改めてドライバー不足問題を考える。自動運転が実現して、完成車が購入者の自宅まで自走できるようになっても、環境負荷やコストの問題で「人が運ぶ」システムが続く。トヨタはどのように対応するのか。
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第37回2019.10.03トヨタが重視する地味なカイゼン 「苦境の6年」に芽吹いていたトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第37回は元副会長の池渕浩介氏を訪ねた。戦後、極度の人手不足に陥ったトヨタ。しかしその「苦境の6年」の間に大増産を成し遂げた。苦しい現場を支えたのは「働ける喜び」と「地味なカイゼン」だった。
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第36回2019.09.26「人も金も足らない6年間」にトヨタが大改革できた4つの理由トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第36回は「大増産の6年」に迫る。戦後、労働争議に揺れ、人員整理を余儀なくされたトヨタ。極度の人手不足に陥った状況にもかかわらず、大改革によって増産を実現した。それを可能にした4つの理由とは。
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第35回2019.09.19「2000人退職」人手不足でもトヨタが大増産した謎の6年間トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第35回はトヨタが倒産寸前の苦境に立たされた戦後期を振り返る。経営危機に陥り、労働争議に揺れ、人員整理を余儀なくされた後、極度の人手不足にもかかわらず、トヨタはなぜ「大増産」を実現できたのか。
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第34回2019.09.12なぜトヨタのカイゼンは関係会社へ根付くか そのシンプルな理由トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第34回も部品輸送のカイゼンに関わる物流会社のカリツー、さらにサプライヤーの林テレンプを訪ねた。筆者はそこで改めて感じた。カイゼンの現場はいつも地味だ。しかし、しっかり目を凝らすと、学ぶことがいくつもある、と。
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第33回2019.09.05トヨタの部品輸送カイゼン 物流会社にもたらしたメリットとはトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第33回は物流会社のカリツーで話を聞いた。サプライヤーから工場まで部品を運ぶ「調達物流」でトヨタがカイゼンに取り組んだ結果、パートナーである物流会社には具体的にどんなメリットがあったのか。
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第32回2019.08.29部品輸送を2~6時間短縮 トヨタが始めた2つの小さなカイゼントヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第32回は、サプライヤーから工場まで部品を運ぶ「調達物流」で実行された2つのカイゼンを紹介する。最先端のAI(人工知能)や最新鋭のメカは登場しない。現場の知恵から生み出された小さな「くふう」が搬送効率を大幅に向上させた。
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第31回2019.08.22調達物流のカイゼンが進まない トヨタを悩ます業界慣習の壁トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第31回。サプライヤーから工場まで部品を運ぶ「調達物流」のカイゼンに取り組むトヨタは、集荷方式の大転換を進めているが、苦戦が続く。目指す「ジャスト・イン・タイム」の前に立ちはだかる壁に、どう対処するのか。
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第30回2019.08.08トヨタの調達物流 「軒先渡し」から「ミルクラン」へ大転換トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第30回は、サプライヤーから工場まで部品を運ぶ「調達物流」の現場へ。ジャスト・イン・タイムで生産ラインへ部品を届けるのがトヨタ流だが、工場の立地が広域になり、見直しが必要に。「軒先渡し」から「ミルクラン」へ大転換を進めている。
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第29回2019.08.01トヨタ車の輸出を支える「船上のギャングたち」の職人技トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第29回は「船上のギャングたち」を訪ねた。完成車の輸出には専用船が使われる。港からその船内へ、ムダな時間をかけず、ムダなスペースを作らずに多くの車を積み込むギャングたちの職人技がトヨタの完成車物流を支える。
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第28回2019.07.25炎天70度に対処せよ! 「大屋根」が示すトヨタ式カイゼンの本質トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第28回は「完成車物流」の現場へ。工場で完成した車は屋外でキャリアカーに載せられるが、炎天下、車内温度は70度にもなる。訪ねた工場では「大屋根」が設置されていたが、ここにトヨタ式カイゼンの本質が映し出されている。
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第27回2019.07.18年1兆円の物流費をどう減らす? トヨタのカイゼンは物流が肝トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第27回から「物流カイゼン」に迫る。「部品を生産工場に運ぶ」「工場から完成車を購入者に届ける」「補修部品を販売店に運ぶ」。トヨタにおける「3つの物流」の費用は年1兆円に上る。そのカイゼンは重要課題であり、変革の最前線だ。
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第26回2019.07.11「中国のピザ配達人」にあって、トヨタに足りないものとは何かトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第26回。生産技術の発展は「環境への負荷が少なく、外部との通信接続によってさまざまなサービスを利用でき、自動運転で移動できる」自動車を実現しようとしている。さて、それは顧客が「本当に求めているもの」と合致しているのか。
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第25回2019.07.04トヨタ車のドライバーが頼りにするNo.1オペレーターの仕事トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第25回は、トヨタの「つながる車」サービスを支えるトヨタコネクティッドの「コンタクトセンター」を訪ねる。レクサスなどのドライバーが車載通信機を通じて投げかけてくるさまざまな質問に、巧みに答える「オペレーターの仕事」に迫る。
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第24回2019.06.27「つながる車」へシフトする自動車業界 トヨタは何が違うのかトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第24回。豊田章男社長が周囲の不評に抗しながら2000年に立ち上げた「ITサービス会社」が今、トヨタが力を注ぐ「つながる車」事業の中核を担っている。そしてその取り組みは、業界他社とは「異なるアプローチ」で推進されている。
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第23回2019.06.20豊田章男社長が自ら興した「トヨタコネクティッド」、その狙いはトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第23回は「トヨタコネクティッド」について。トヨタ社長の豊田章男氏が若き日に、周囲の反対に屈せず立ち上げた会社は今、トヨタが注力する「つながる車」関連事業の中核を担う存在となった。豊田氏を"起業"に駆り立てた焦燥をたどる。
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第22回2019.06.13トヨタを接客業に 豊田章男社長を変革に駆り立てる「遺伝子」トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第22回のテーマは「トヨタ生産方式」だ。生産現場から生まれ、今、販売の現場カイゼンにも力を発揮する。トヨタを支える「背骨」だが、世間からの誤解も多い。しかし、この本質を理解しなければ、トヨタの変革は読み解けない。
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第21回2019.06.06アマゾン、ウーバー… トヨタが“ありえなかった相手”と組むワケトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第21回。危機感を持った販売店は具体的に何をしているのか。米テキサス州の販売店社長、パット・ラブ氏の話を聞く。トヨタ生産方式をいち早く導入し、カイゼンを続け、自動車販売の未来を語る彼の話をかみしめながら、筆者は一編の詩を思い浮かべた。
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第20回2019.05.30トヨタの販売カイゼン 目指すべきサービス「真実の瞬間」とはトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第20回。トヨタの販売カイゼンは、瞬時に客の要望に応えられる「ジャスト・イン・タイム・サービス」を目指すが、道半ば。著者はトヨタが生き残るために目指すべき姿として、スカンジナビア航空(SAS)の「真実の瞬間」の例を紹介する。
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第19回2019.05.23電機メーカーでも車を作れる時代 トヨタの現場は何を担うのかトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第19回は自動車会社とファブレス(水平分業)について考える。従来は自動車会社が部品メーカーや販売店を系列化する垂直統合方式が主流だったが、EV(電気自動車)などの生産では家電のように取引先を固定しないファブレス生産が増える。危惧される問題とは? 販売体制への影響は?
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第18回2019.05.16トヨタのカイゼン指導に同行 現場を動かす「なぜ」と「一緒に」トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第18回。販売カイゼンにも導入されているトヨタ生産方式の現場指導はどのように行われているのか。それを知るべく、生産調査部長の尾上恭吾氏に同行した。協力会社である太平洋工業の東大垣工場に着き、現場に入ると、空気が引き締まった。
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第17回2019.05.09「最強の労働組合」の猛抗議を黙らせた、豊田章男社長の一言トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第17回は生産調査部長の尾上恭吾氏を訪ねた。販売カイゼンにも導入されているトヨタ生産方式の現場指導に同行するためだが、工場の様子を伝える前に、尾上部長と豊田章男社長が“最強の労働組合”と対峙した時のエピソードを紹介したい。
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第16回2019.04.25トヨタはリーマン・ショックで何につまずき、何に目覚めたのかトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第16回。トヨタが販売カイゼンを加速させた大きな契機をたどると、リーマン・ショックに行き着く。不況に強いはずのトヨタ生産方式をもってしても、創業期以来の赤字に陥った。その時、トヨタはいかにつまずき、復活し、何に目覚めたのか。
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第15回2019.04.18トヨタが苦心しながら進める販売カイゼン 他社と何が違うのかトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第15回はトヨタ以外の国内、外資系の自動車販売会社で実績を上げ、コーチングのプロとなった人物を訪ねた。トヨタが苦戦しながら押し進める販売カイゼンは、他社と何が違うのか。そして、販売の現場を支える人材育成の勘所とは。
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第14回2019.04.11トヨタの中古車が売り上げアップ 2時間に短縮した意外な工程トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第14回。中国で販売支援システムを駆使する広汽トヨタを率いた北明健一氏(現TPS本部)も、かつて業務改善支援室で汗をかいた。原点は青森・八戸だ。師匠である友山茂樹・現副社長も千葉で苦労した。販売カイゼンは一筋縄では行かない。
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第13回2019.04.04トヨタ「流通情報改善部」が、販売店から嫌われる理由トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第13回。販売店カイゼンに取り組む業務改善支援室は、営業支援システム「e-CRB」を開発した。しかし、これを導入すれば直ちに効果が上がるわけではない。必要なのは、セールススタッフの意識改革であり、そこには大きな壁が立ちはだかった。
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第12回2019.03.281泊2日を45分に トヨタは車検時間をどのように短縮したかトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第12回。「ITによる販売カイゼン」のためのシステム開発は、中古車検索から整備や店頭サービスへと対象を広げた。しかし、IT導入ですべて解決とはいかない。カイゼンの現場をより詳しく追ってみる。
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第11回2019.03.20トヨタの「IT販売カイゼン」、着火は「常務室工場」からトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第11回。「ITによる販売カイゼン」を推進するためのシステム開発は、中古車検索にとどまらず、整備や店頭サービスにもその対象を広げた。しかし、システムを稼働させるためのパソコンが足りない。業務改善支援室のメンバーは「自作」を試みるが……。
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第10回2019.03.14トヨタの中古車販売を変えた「電子そろばんに詳しい男」トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第10回。トヨタの中古車販売を「電子そろばん」で変えた人物がいる。藤原靖久氏だ。トヨタ生産方式を厳しく現場に伝える「鬼」に鍛えられ、「武闘派」の下でパソコンの知識を生かした。自前の中古車画像検索システム「Gazoo」(現GAZOO)の誕生であった。
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第9回2019.03.07トヨタ首脳陣はその時、ビル・ゲイツ氏に何を問うたのかトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第9回。豊田章男・現社長は1990年代後半、販売店のカイゼンにITを導入した。それはトヨタ生産方式の形を変えることにもなった。時はIT黎明期、トヨタ首脳陣は米マイクロソフトを率いるビル・ゲイツ氏と会談する。その時、彼らが質問したこととは……。
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第8回2019.02.28トヨタの販売カイゼンを生んだ豊田章男社長の「根本的疑問」トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第8回。地区担当員となった豊田章男・現社長は販売カイゼンの必要性に気づいた。おそらく気づいたのは彼だけではない。しかし、自ら立ち上がり、実行に移したのは彼だけだった。1994年、改革スタートの地は岐阜である。
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第7回2019.02.21トヨタ「工販合併」の苦闘と豊田章男「1994年の決心」トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第7回。戦後、トヨタ自工とトヨタ販売に分離したトヨタが再び「工販合併」したのは1982年。以降、販売のカイゼンは大きな課題だったが、なかなか進まない。そんな中、トヨタ生産方式を販売部門に適用しようと、ある男が立ち上がる。
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第6回2019.02.14自動運転時代、トヨタに必要なのは「販売のカイゼン」だトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第6回。ZARA、農機具、おにぎり──その共通点とは? トヨタが追求する「イノベーション」と、トヨタを悩ませる「ジレンマ」に迫る。販売の最前線は、なぜ変われないのか。どうすべきなのか。
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第5回2019.02.07トヨタ「理想の販売店」は深圳に 顧客の声が示すサービスの本質トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第5回。「理想の工場」に続いて訪れたのは、中国・深圳(しんせん)の「理想の販売店」広汽トヨタ兆方店だ。ここでは、日本より進んだシステムが稼働していた。顧客の声から見えてきた「サービスの本質」とは。
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第4回2019.01.31トヨタが目指す「製販一体」の現場へ 他の工場と何が違うのかトヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載第4回。豊田章男が作った「理想の現場」を訪ねて一路、中国・広州へ。顧客と生産をつなぐ「製販一体」の現場で最先端のシステムに目を向けながら、それを支える「源流」の強さを改めて実感する。
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第3回2019.01.24トヨタの「理想形」は広州にあり 豊田章男が中国で目指したものモビリティ革命の渦中、トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載の第3回。トヨタの「つながるクルマ」の拠点、トヨタコネクティッドに社長の友山茂樹を訪ねる。今、見るべきトヨタの理想形はどこかを問うと、その答えは「広州」だった。
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第2回2019.01.17アマゾンがクルマを売る時代、トヨタは「業種」になるしかないモビリティ革命の渦中、トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載の2回目。本編スタートの地は米テキサスだ。トヨタ車販売店のパット・ラブ社長が見据えるのは「アマゾンがクルマを売る時代」。顧客のニーズはどう変わるのか、生き残り策を語る。
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第1回2019.01.10MaaSに月額制乗り換え…トヨタは自らをどう変革するのか次世代移動サービスの「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」の展開、サブスクリプション(定額課金制)のサービス、AI(人工知能)の活用、販売店の改革──。2019年、そのすべてに取り組み、会社の形を変えようとする企業がある。トヨタ自動車だ。「変革の現場」をテーマに、今、ノンフィクション連載『トヨタ物語2020』の幕が開く。
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2019.01.10前回までのあらすじ