日経クロストレンドのアドバイザリーボードの面々が、「ポスト平成」の注目キーワードを占う本特集。クラウドファンディング大手のマクアケを率いる中山亮太郎社長は、ビジネス界で新たな“社交場”として注目されている「サウナ」と経営の新しい関係について熱く語った。

写真/Shutterstock
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 注目キーワード 
「サウナ×経営」

マクアケ 代表取締役社長
中山 亮太郎氏

 かれこれ3年前になるでしょうか。エレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)の一大イベント「ULTRA JAPAN」のクリエーティブ・ディレクターをしていた小橋賢児さんから長時間にわたってサウナの素晴らしさについてお話を聞いたのが、私がハマるきっかけでした。

 サウナは熱すぎて、水風呂は冷たすぎて、とにかく苦行でしかない。当時そう思っていましたが、「そこまで言うなら」と思い、一度サウナを言われた通りに試してみようと、赤坂にあるサウナ・リゾートオリエンタルへ。サウナ、水風呂に繰り返した入ったところ、「サウナー(サウナ愛好者の呼称)」たちがそろって口にする「ととのう」という感覚を体感し、以来その感覚に取りつかれて、すっかりとサウナーとなりました。

 そして2018年、気が付いたら、経営者やプロデューサー、マーケター、エンジニア、クリエーターなど、至る所でサウナーを見るようになり、ついには「サウナシュラン」という賞まで誕生したり、「サウナと経営」というテーマのトークセッションに多くのサウナーが集まったりと、サウナというものの存在感の広がりを特に感じる1年でした。

 なぜ、そんなにもサウナがビジネス界やクリエーター界に受け入れられているのか。答えは様々ですが、「ととのう」と表現されるように心身ともにリラックスした状態で、経営戦略やアイデアを考えると、その質が明らかに向上する。もしくは、常に頭をフル稼働しているビジネスパーソンにとって、一時でも頭の中を空にできる状態を作ることは、クリエーティブになれる状態を作るためのツールとして“サウナ道”に入門する人が増えていると感じます。

 私はそのようなツールとしてサウナで月に何度も「ととのって」いるのですが、最近は同志のサウナーに声をかけて人気サウナに出向いたり、サウナーが集まるイベントなどに参加したり、SNSでのサウナーコミュニティーのページで交流したりと、ビジネスの社交場としても機能しています。まさにゴルフやマージャン、釣りなどに代わる、新しい社交文化としてもサウナの価値を享受しています。ビジネス界に急速に広がるサウナ文化が19年にどのような進化を遂げていくのか楽しみですし、そこに何かしらの貢献もしていければと思っています。

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