
デザイン思考の次
デザイン思考が日本企業でブーム的な動きを見せてから、数年が経過した。いまだにさまざまな議論を呼んでいる。イノベーションへの期待が高まるにつれ、デザイン思考を導入する企業が相次いだものの、なかなか社内に定着しないという例も少なくない。なぜ難しいのか。デザイン思考を定着させるために工夫する企業の取り組みを追った。
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第20回2019.11.06採用活動はハッカソンで ダッソー・システムズが挑む人材獲得術新しい製品やサービスを生み出せる人材をどう獲得するか。回答の1つが、世界的なITベンダーの仏ダッソー・システムズの試みだろう。日本法人は学生に呼びかけて開催したハッカソンを採用活動の一環とし、学生の適性を見極めようとした。
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第19回2019.10.3030万円のパナ流・茶筒型スピーカー 匠の技で感性価値を極める創造性を生かす仕組みづくりに取り組んできたパナソニックから、新規事業が続々と登場している。最後は京都の茶筒工房と開発したワイヤレススピーカーを取り上げる。パナソニック アプライアンス社の宇都宮工場に工房を造り、開化堂の職人が蓋の開閉具合を微調整するなど、感性価値を極めた新たな手法として注目される。
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第18回2019.10.11介護食調理器もパナ流で 食材の見た目そのまま、かむと軟らかく創造性を生かす仕組みづくりに取り組んできたパナソニックから、新規事業が続々と登場している。今回はアプライアンス社の「ゲームチェンジャー・カタパルト」から誕生した商品で、品質部門の女性社員が起案した介護向け調理器具「デリソフター」を取り上げる。家庭用に2020年3月にも5万~10万円で発売する予定だ。
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第17回2019.10.10今秋発売、パナ流のスマート知育玩具 全社デザイン改革が後押し創造性を生かす仕組みづくりに取り組んできたパナソニックから、デザインの面でも新たな試みが始まった。全社横断のデザイン本部を新たに設立し、デザインで各カンパニーを連携しようとしている。既にデザイン本部からは独自商品としてスマート知育玩具「PA!GO(パゴ)」が登場。ベータ版は今秋にも発売予定だ。
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第16回2019.10.09パナ流デザイン経営が生んだ「謎の円盤」、光で不思議な空間創る創造性を生かす仕組みづくりに取り組んできたパナソニックから、新規事業が続々と登場している。インキュベーション組織の「100BANCH(ヒャクバンチ)」、全社横断のデザイン本部、アプライアンス社の「ゲームチェンジャー・カタパルト」などで、新しい発想が開花した。今回は100BANCHの事例を紹介する。
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第15回2019.10.03デザイン思考ならぬ「アート思考」とは? マイクロソフトも推進日本マイクロソフトは2019年6月21~23日までの3日間、川崎重工業や資生堂、ぴあなど約20社に呼びかけ、アート思考を養うワークショップ「Art Thinking Improbable Workshop for Flags!」を開催した。新規事業担当者など約30人が集まり、好評だったため、9月13~15日には2回目を行った。なぜ今、アート思考なのか。
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第14回2019.10.02イノベーション創出のマネジメント手法、ISO56002の衝撃国際標準化機構(ISO)は2019年7月に「ISO56002」を中心とした新規格を公表した。イノベーションを起こした世界中の先進企業のマネジメント手法を分析し、ビジネスの考え方などを「標準化」したもの。イノベーションを実現するガイドラインとなりそうだ。
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第13回2019.06.03デザイン思考はビジネスパーソンとデザイナーの「共通言語」に「デザイン思考の普及でビジネスパーソンとデザイナーのコミュニケーションが進む」。こう話すのは米アドビシステムズのシニア プリンシパル デザイナーであるコイ・ヴィン氏だ。ビジネスパーソンとデザイナーの間にある「壁」がデザイン思考という「共通言語」の浸透で崩れていくと見る。
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第12回2019.04.23「意味のイノベーション」で、問題の本質自体を改めて問い直せイタリアのミラノ工科大学教授のロベルト・ベルガンティ氏は「意味のイノベーション」と呼ぶ考え方で多くの企業から注目され、欧州委員会のイノベーション政策にも関与している。著書『突破するデザイン』(日経BP)も話題になり、日本の大手企業で講演する機会も多い。後編では、いよいよデザイン思考の本質に迫る。
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第11回2019.04.22デザイン思考だけでは、イノベーションにつながらないイタリアの伊ミラノ工科大学教授のロベルト・ベルガンティ氏は「意味のイノベーション」と呼ぶ考え方で多くの企業から注目され、欧州委員会のイノベーション政策にも関与している。著書『突破するデザイン』(日経BP)も話題になり、日本企業で講演する機会も多い。今回はベルガンティ氏にイノベーションについて聞いた前編。
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第10回2019.01.11デザイン思考の次 生物の進化に学ぶ「進化思考」に注目「デザイン思考は、多様なアイデアを生み出すには良い方法だと思うが、最終的にどれくらい実現可能なアイデアが残るのか、疑問に感じている」とNOSIGNER代表の太刀川英輔氏は言う。デザイン思考の限界を乗り越えるものとして、生物の進化のプロセスに学ぶ独自の「進化思考」を提唱する。
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第9回2019.01.10デザイン思考、“欧米型”をそのまま適用するのは無理があった立命館大学でデザイン科学研究センター長を務める八重樫文氏は、ビジネスパーソンがデザイン思考を身に付けるためには2つのことを実行すべきだと言う。美に対する感覚を磨き、社会で生きる自分を再考すること。さらには日本型のデザイン思考を考える時期に来ていると言う。
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第8回2019.01.09デザイン思考 なぜ結果が出ないのか、専門家からの提言デザイン思考研究所(現アイリーニ・ユニバーシティ)の創業者、柏野尊徳氏。デザインマネジメントの専門家、田子學氏。2人の専門家に、デザイン思考に取り組む企業は増えているのに、なぜ結果が出ないのかを聞いた。
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第7回2019.01.08デザイン思考の「メソッド」だけが独り歩きしている伊ミラノと東京を拠点に活躍するビジネスプランナー、安西洋之氏は、デザイン思考は世界的にもブームになっているという。だが、日本のワークショップなどの現場ではメソッドばかりに目が行き、デザイン思考の本質までなかなか理解が進んでいないと危惧する。
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第6回2019.01.07特別対談 デザイン思考は強い企業をさらにバージョンアップする2014年春に「日経デザイン」誌上でデザイン思考について対談した元IDEO Tokyoの石川俊祐氏とTakram代表の田川欣哉氏。あの頃と比べて、社会や企業にデザイン思考はどのように浸透し、どんな変化があっただろうか。日本でデザイン思考が広く注目を集めるようになった今、2人が再び語った。
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第5回2018.12.28デザイン思考、なぜヤフーで根付いたか 鍵はオフィス設計デザイン思考を社内に定着させるには、社員にデザイン思考の手法を学ばせるだけでは難しい。学んだ内容を生かすため、社員同士が自由に議論できる環境もつくる必要がある。加えて新入社員までデザイン思考を理解していれば、デザイン思考が企業文化として定着しやすい。ここまで来れば、強い組織になりそうだ。
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第4回2018.12.27デザイン思考、中高生とのコラボで有効性を実感「新しい商品をデザイン思考で開発したいが、社内のリソースが乏しい」。こうした悩みを抱える企業は少なくない。社内のリソースを活用できないなら、外部のリソースに頼ることも一つの手段だ。タイガー魔法瓶やカシオ計算機は高校生とのコラボレーションに挑戦している。
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第2回2018.12.26NTTコム、デザイン思考成功の鍵は「デザイン」を使わないことデザイン思考を社内に定着させようとすると、さまざまな障害が立ちはだかるはずだ。最大の課題は、社内から賛同を得られにくいこと。プロジェクトメンバーはデザイン思考のメリットを十分に理解していても、社内の態度は冷たい。
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第3回2018.12.26ヤマハ、“デザイン思考プロジェクト”を発展的解消した狙いヤマハは2013年7月に立ち上げたデザイン思考推進プロジェクトを、ビジネスプランの社内公募制度に吸収させる形で解消した。デザイン思考を草の根で学んだ社員たちが各部門に散らばり、ヤマハの社内にデザイン思考を根付かせている。
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第1回2018.12.25デザイン思考とは何か、なぜ必要か 「社内に浸透」わずか5%「デザイン思考を取り入れても、なかなか社内に定着しない」。デザイン思考が日本企業でブーム的な動きを見せてから数年が経過しているが、実を結ばず、定着しなかったケースも少なくない。なぜうまくいかないのか。