国際標準化機構(ISO)は2019年7月に「ISO56002」を中心とした新規格を公表した。イノベーションを起こした世界中の先進企業のマネジメント手法を分析し、ビジネスの考え方などを「標準化」したもの。イノベーションを実現するガイドラインとなりそうだ。

ISOのサイトから「ISO56002」の原文を購入できる
ISOのサイトから「ISO56002」の原文を購入できる

 イノベーションというと、偶然のひらめきやアイデアで生まれると思われがちだが、それでは再現性がなく、ビジネスに使えない。新しい発想を常に導き出せるようなマネジメント手法とは何か、組織やトップはどうすべきか。そのためのヒントになりそうな動きがある。ISOが公表した、ISO56002を中心とする国際規格だ。

 発想法だけなら、デザイン思考などさまざまな手法が注目されている。しかし多くの企業では、有志が「草の根的」に実施するなど、一過性で終わってしまう場合が少なくない。企業の方針として明確に位置付けられていないためだ。

 今回のガイドラインでは、発想を生み出すためのマネジメント方法に加え、運用体制や推進する際のトップのリーダーシップなどに言及。さらに発想した内容を評価・検証できるようにP(Plan)・D(Do)・C(Check)・A(Action)に結び付け、企業のシステムとして組み込めるようにした。マネジメント手法によってコントロールできるからこそ、一過性に終わらず再現性が生まれ、ビジネスに役立つようになる。

 一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)が日本代表として標準化作業に参画。19年8月からセミナーとして内容を公開し、参加企業が自社のマネジメント手法と比較できるようにした。10月16日にはISO56002に関するイベントも実施する予定だ。なお原文は日本規格協会やISOのサイトから購入できる。

一般社団法人Japan Innovation Networkが開催する「ISO56002」のセミナーは毎回、満員になるなど注目度は高い
一般社団法人Japan Innovation Networkが開催する「ISO56002」のセミナーは毎回、満員になるなど注目度は高い

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
この記事をいいね!する