前回は顧客ライフサイクル管理の最初の3ステップを紹介した(関連記事「そのサブスクでモトが取れるか? 顧客視点で『真実の瞬間』をつかむ」)。最終回は、多くの企業がおろそかにしがちなエンゲージメント施策と、退会する顧客へのアプローチを考えていく。ライフサイクル全体を見る視点が鍵となる。

エンゲージメントを高めることができれば、サービスを支持・拡散してくれるAdvocateが増え、顧客退会率は減少する(写真/Shutterstock)
エンゲージメントを高めることができれば、サービスを支持・拡散してくれるAdvocateが増え、顧客退会率は減少する(写真/Shutterstock)

 さまざまな企業とサブスクリプション事業のプロジェクトに取り組んで気づくことの1つは、各社ともエンゲージメント施策の優先順位が低いことです。アミューズメントパークのアトラクションと同じで、入ってくる人の数や出ていく人の数は目につきやすく、多くの場合注意が払われています。ところが顧客を獲得するや否や、「釣った魚に餌はやらない」状態になっていることが多いのです。エンゲージされているかどうかが数字で見えにくいのも一因。解決するにはアトラクションに入場した人が楽しい体験をしているかどうかを「見える化」することが必要です。

Engagement (契約中):関係構築と顧客維持は同じコインの裏表

 入会後の契約期間中、どういうKPI(重要業績評価指標)を測定してどのようなエンゲージメント施策をとればよいでしょうか。ここで最重視したいのは、顧客の平均サービス利用率と定量化した提供価値です。提供しているサービスやコンテンツを顧客がどのくらい利用しているのかを把握し、一利用者当たりの平均の提供価値を定量化。このサービス利用率をKPIとし、利用率を向上させるための施策をとります。

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