サブスク事業の存続、成長に必要な「顧客ライフサイクル管理」。まずは最初の重要なステップ、価値提供・新規顧客獲得・獲得直後のエンゲージメントについて考えていく。顧客視点で「モトを取れるかどうかの計算」をしたり、「つまずきポイント」がないかを考えたりすることが、顧客の体験価値向上につながる。

モトを取れるかどうかの計算やつまずきポイントを顧客視点で考えることが、サブスクリプションサービスにおいて重要だ(写真/Shutterstock)
モトを取れるかどうかの計算やつまずきポイントを顧客視点で考えることが、サブスクリプションサービスにおいて重要だ(写真/Shutterstock)

 前回、顧客退会率を低下させるためには、一歩下がって顧客視点で全体を俯瞰(ふかん)し、「顧客ライフサイクル管理」をすることが大切だと話しました。今回は最初の3つのステップを順に紹介します。

顧客ライフサイクル管理
顧客ライフサイクル管理
最初の3つのステップで、サブスクに必要な施策を考える

Value Proposition: 提供価値を顧客視点で評価する

 最近目にした面白い記事の1つに、ラーメンのサブスクリプションサービスの体験談があります。月額8600円(税別)で1日につきラーメン1杯が食べられるサブスクリプションサービスに記者が加入し、1カ月にどのくらいラーメンを食べたら「モトを取れるか」というチャレンジをつづったものです。その忙しい記者は当初意気込んだほどラーメン店に通うことができず、1杯780円のラーメンを食べたのは7回。合計金額は5460円で、月会費を超えることはありませんでした。私はこの「モトを取れるかどうかの計算」こそ、経済意識が高いサブスクリプション利用者は意識的に、そうでない利用者も無意識にやっていることだと考えています。

 モノやサービスの価値には、定量化できる部分と、できない部分があります。サブスクリプションが顧客に価値提供できているかどうかを評価するため、まずは定量化できる部分につき「顧客1人当たりのサービス利用」を金額に換算してみることをおすすめします。ラーメンチャレンジをした記者の思考を「見える化」するのです。

顧客視点で損益分岐点を考える