※日経トレンディ 2019年1月号の記事を再構成
せっかく本を読んだのに、内容をすぐ忘れる。読んだ本を仕事に生かしきれない──。そんな悩みを抱える人は少なくない。読んだ時間と知識を無駄にしない読書のコツはまず、今旬のトレンド本を選ぶことにある。特集の最終回は、押さえておくべきトレンドワードと、最強の読書術を指南する。
押さえておくべき 書籍のトレンドワード
話題のベストセラーは周囲も読んでいる可能性が高く、アウトプットの機会に恵まれやすい。他者に話すほど知識が頭の中で整理されやすくなり、書籍に対する理解度や記憶力の向上も期待できる。では、18年のトレンド本は何か。年間1000冊以上のビジネス書を読むという“ビジネス書のプロ”土井英司氏が挙げたキーワードは下記の3つ。
【脅威系】
米国のグーグルやアマゾン、アップルなど、他社にとっては「脅威」と見なされがちな企業を多角的に分析した本は、ビジネス書のトレンドを代表する存在の1つ。最新のテクノロジーを活用し、世界中の人々の日常生活に入り込み、顧客から得たビッグデータを活用しながら巨大化する企業の戦略を知ることは、業界を問わず世の中の趨勢を占ううえで欠かせない。
『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』
スコット・ギャロウェイ、渡会圭子(訳)/東洋経済新報社
税込み1944円
【教養系】
一見、仕事とは無縁のように思える教養系の本が18年のビジネス本市場をけん引。中でも西洋美術や世界史などの知識が身に付くとうたった書籍が人気を集めた。「グローバル社会において、歴史や美術の知識を深めることは世界中のエリートと戦っていく際の強い武器になるという側面も」(土井氏)。海外旅行や出張の前に読んでおくのもいい。
『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』
デイヴィッド・S・キダー、ノア・D・オッペンハイム、小林朋則(訳)/文響社
税込み2570円
【処世術系】
終身雇用システムが崩壊し、AI導入による雇用減少が叫ばれる時代において、もはや企業で働くことが安定とはいえない──。激動の時代を迎える中、生き残るための処世術を説いた本が続々登場。市場価値を上げ続けるためのスキルの磨き方や考え方、正しい仕事選びの方法、必要とされ続ける人材になるためのコツなどを分かりやすく分析した本が人気に。
『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』
北野唯我/ダイヤモンド社
税込み1512円
グーグルやアマゾン、フェイスブックなど勢いのある海外企業を多角的に分析した「脅威系」、グローバルな視点に役立つ知見を与える「教養系」、そして変わりゆく時代に勝ち抜くための力を養う「処世術系」。「この3つのキーワードを軸にした本は、まさに今読んでおくべきビジネス書。時代の潮目を読み取ることもできる」。
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