やはり10代は意識高い、利用意向あり認知度あり

 キャッシュレス決済やQRコード決済の利用傾向は、地域別だけでなく世代別にも違いが見られる。

 顕著なのが10代のQRコード決済サービス利用意向の高さだ。同世代は、4.8%が「大変利用したい」、16.4%が「まあ利用したい」と答えて約2割が利用意向を示した。4.8%(45~49歳)~7.5%(40~44歳)にとどまる他世代と大きな差がついている。また、QRコード決済サービスの認知率でも10代は33.9%と比較的浸透しているのに対し、その他の世代では14.5%(20~24歳)~21.9%(50~54歳)。

QR決済サービス世代別利用意向
QR決済サービス世代別利用意向
「大変利用したい」「利用したい」を合計した利用意向は、10代が飛び抜けて高い。棒の高さは認知率を示す

 利用意向が高い一因と考えられるのが、現在のキャッシュレス決済の利用状況だ。10代のクレジットカード利用率は14.1%、最も高い交通系電子マネーでも17.4%にとどまる。

 10代のキャッシュレス決済手段の平均利用種類は0.66種類で20~24歳の1.10と大きな差がある。さらに、30~34歳が1.47種類、55~59歳が1.58種類と年齢が上がるごとに利用手段数が増えている。10代は自分なりのキャッシュレス決済利用法が定着していないため、QRコード決済サービスを受け入れる余地があるのだろう。

キャッシュレス決済手段の平均利用数
キャッシュレス決済手段の平均利用数
クレジットカードは30代以上でおおむね70%前後と一定だが、50代以上はプリペイドカードの利用が増えるなどで、利用する種類が増える

意外だったシニアの現金志向の低さ

 一方で、現金についても利用意向を尋ねると意外な結果となった。

 現金を「大変利用したい」と答えた比率を世代別に比べると、10代が67.9%、20~24歳が64.7%と60%を超えるのに対して、30~34歳が52.2%、40~44歳が42.7%、50~54歳が40.6%、60歳以上が34.8%と如実に低下していく。キャッシュレスの利便性を実感するほど、支払いに手間取る現金の利用意向が下がる様子がうかがえる。

 QRコード決済サービスの利便性、独自性を打ち出せれば、上の世代にも利用が広がる可能性があるといえよう。

現金利用意向
現金利用意向
現金を「大変利用したい」と答える比率は年代が上がるにつれて顕著に減少する。シニア層はQRコード決済を受け入れる素地がある

 ちなみに、現金を「大変利用したい」比率を全世代平均で見ると45.2%。クレジットカードの36.3%、交通系電子マネーの12.5%、流通系電子マネーの5.7%を上回りトップであり、短期間で他手段に取って代わられることは考えにくい。

 なお、利用意向の比率は各決済手段を知らない人も母数に含めた比率である。例えば、交通系電子マネーの認知度が59.5%に対して、流通系電子マネーは24.9%にとどまる。この差が利用意向の差にも反映されている。

「47都道府県キャッシュレス決済普及率ランキング2019」調査概要
  • 調査期間:2018年10月25~30日
  • 調査企画:日経BP社(日経クロストレンド、日経FinTech)、日本経済新聞社
  • 調査委託先:マクロミル
  • 調査方法:マクロミルの調査モニターを対象にしたインターネット調査。スクリーニングを主目的とした事前調査と、QRコード決済認知者を対象とした本調査の2段階で実施した。予備調査は全国47都道府県から均等に回答者を集め(212または213人)、合計で1万人から回答を得た。その上で、都道府県と年代の分布状況が日本の人口と同様になるようにウエイトバック処理をして集計した。本調査は、予備調査でQRコード決済サービスを認知している人を対象に実施。全国47都道府県から均等に回答者を集め(103人)、合計で4841人から回答を得た。予備調査と同様のウエイトバック処理を実施した。
キャッシャレス決済の今と未来が分かる!ムック「QR決済」発行
キャッシュレス決済の先進県は? 47都道府県ランキング発表(画像)
本著は、日経BPの金融専門誌「日経FinTech」や、マーケティング&イノベーション領域の専門デジタルメディア「日経クロストレンド」が総力を挙げて、QR決済の最新事情を取材。専門記者が、利用者にとってのメリット・デメリットを多面的に分析するのはもちろん、「脱現金」が進む店舗の現場や、乱立する各種サービスの戦略の違い、業界の裏側もたっぷりとご紹介します。 【Amazonで購入する】