中国が発信源となったQRコード決済サービスだが、日本での提供企業の戦略や導入企業の実情を見ると、国内での普及には独自の付加価値が求められそうだ。その参考になるのが米国FinTechの新潮流。デジタルネーティブなミレニアル世代向けの新サービスが台頭している。

2018年10月21~24日に米ラスベガスで開催された「Money 20/20 USA」には約1万2000人が詰めかけた
2018年10月21~24日に米ラスベガスで開催された「Money 20/20 USA」には約1万2000人が詰めかけた

 お金の未来を占ううえで業界が注目するコンベンション「Money20/20 USA」には、約1万2000人が駆けつけた。2018年10月に開催された同イベントに、著者も5年連続で参加してきた。

 今回目立ったのが、ミレニアル世代をメインターゲットにしたサービスの増加だ。ミレニアル世代とは、1980年代から2000年代初頭までに生まれた世代を指すことが多く、幼少期からデジタル化された生活に慣れ親しむデジタルネーティブとも呼ばれる世代のことである。

 ミレニアル世代はどんな特性やニーズを持ち、それに合わせてどんなサービスが開発され、成長しているのか。Money20/20を通じて3つの潮流が見えてきた。共通する特徴はモバイル特化、もしくはモバイルでの使いやすさを最重要点として開発していることだ。

モバイル特化銀行に参入相次ぐ

 1つ目は、モバイル特化型、つまり、PC版は提供せず、モバイルアプリでのみ提供している総合銀行サービスである。「PCよりもモバイルが命。モバイルだけですべてを済ませたい」というニーズに特化している。手数料無料で銀行口座(普通・当座)やVISAデビットカードを提供、ローンも簡単に申請可能だ。米ゼロ(Zero)、米シンプル(Simple)、米アリーバンク(Ally Bank)、米チャイム(Chime)など多くの企業が参入し、市場が拡大している。

 このカテゴリーで注目されている成長企業は、米ベロマネー(Varo Money)だろう。17年6月に米アップル「App Store」でのみ提供を開始し、PCやAndroid版は現在提供していない。iPhoneを買えるミレニアル層が現在のターゲットとなっている。

 一般的な銀行だと高い手数料を取られる外貨取引、口座維持手数料などがすべて無料で、5万5000カ所のATMも手数料無しで利用できる。もちろんスマートフォン決済「ApplePay」にも対応している。カード手数料とローンの利子を主に収入源とし、モバイル特化型銀行として初めて国の銀行業免許を取得予定である。

米ベロマネー(Varo Money)はモバイル特化型の総合銀行を運営する
米ベロマネー(Varo Money)はモバイル特化型の総合銀行を運営する
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