一休社長がイノベーションをテーマに異論を語ってきた本連載。最終回は、日本が真のイノベーション国家へと変わるために重要な要素の1つである働き方改革について考える。

「若いときは泥のように働け」。若手社員が長時間働くことを肯定的に捉える、こんなフレーズが語られた時代もあったが、今の日本では通用しない。労働時間の長さという単純な物差しではなく、一人ひとり異なるパーソナリティーや働き方などを評価する方向へと変わってきている(写真/Shutterstock)
「若いときは泥のように働け」。若手社員が長時間働くことを肯定的に捉える、こんなフレーズが語られた時代もあったが、今の日本では通用しない。労働時間の長さという単純な物差しではなく、一人ひとり異なるパーソナリティーや働き方などを評価する方向へと変わってきている(写真/Shutterstock)

 働き方改革が必要だとして、これまでの仕事のあり方を見直す企業が増えています。ことの発端は長時間労働の問題だと思いますが、うちの場合は就業時間が午前10時~午後7時。だから午前9時ごろに出社しても社員はほとんどいないですし、夜も20時頃には誰も残っていません。2016年にヤフーのグループ入りしてから、長い時間働くことを良しとしない風潮がより強まりました。

 有休休暇についても消化率100%を真面目に目指そうとしていて、有休消化率が低い部門を定期的に公表したりしています。

 うちはネット企業なので、社員が休んでいてもサーバーが働いてくれます。だからゴールデンウイークなど連休中でも売り上げは上がります。今年のGW、世間は10連休でしたが、うちは11連休。土曜日が祝日と重なった場合は、前日の金曜日を振り替え休日にしているからです。

 以前もお話ししましたが、うちは高級な旅館やホテル、レストランなどで、心にぜいたくをしてもらう体験価値を提供しています。ですので社員にも、心にぜいたくをする時間を過ごしてもらえるような制度にしているのです。

 当社では今、リモートワークの導入についても議論しています。いろいろなデジタルコミュニケーションツールが充実し、リモートワークを導入する環境がだいぶ整ってきたと感じています。

 営業職の場合はホテルやレストランなど、相手先があるのでリモートワークの導入は簡単ではないのですが、エンジニアやデザイナー、マーケティングスタッフといった職種なら、オフィスに出社しなくても仕事が可能だと考えています。

 課題は、オフィスにいないときの業務の成果をどう測るか。リモートワークだと仕事ぶりが直接目に見えないので、アウトプットで成果を測る仕組みをきちんと整備する必要があります。

 実際、うちは成果主義だと言いつつ、実際には平等主義の会社がありますし、平等主義と言いながら成果主義の会社もある。言葉は同じでも実態は多種多様。そうした中、がんばったらきちんと報われる成果主義をどう実現するか。これは意外と難しい話です。