昨今は伝統的な企業もデータ経営を標榜しているが、データはあくまでも分析や判断のための素材。膨大なデータを読み解き結果につなげる分析スキルの磨き方について一休の榊淳社長が持論を語る。

一休のスマートフォンサイト。専門チームがデータに基づきユーザビリティー改善に取り組んでいる
一休のスマートフォンサイト。専門チームがデータに基づきユーザビリティー改善に取り組んでいる

 前回、うちの社員には、目の前の課題を解くことに集中してほしいと言いました。さらに言えば、組織やチームが解決すべき課題は、それぞれの組織やチームが自ら設定するのが望ましいと考えています。予算ありきで課題を設定し、それを各部門に割り振るなど、“上から降ってくる”という形ではクリエイティブな組織、仕事にはならないと思うからです。

 うちの宿泊事業部門には、スマートフォンでの予約体験をよくする仕事をしているチームがあります。このチームのミッションは文字通りスマホサイトの改善であり、ゴールはコンバージョンレート(CVR、予約率)をアップすることです。

 彼らは日々、CVRなどのデータをモニタリングしながら、どうサービスをよくすべきかを考えています。そして改善すべきポイントはこれとこれで、具体的なアクションはこれとこれ、といったことを決めて、自律的に行動します。

 うちはネット企業なので業務改善が自然とデータに基づいて実行されますが、(ネット企業ではない)一般の会社だと、同じような進め方は難しいのかもしれませんね。

 僕は経営者という立場ですが、先週レストラン事業が苦戦していたとなれば、それがなぜなのか。データから分かることがあります。例えばスマートフォン向けのAというページにランディングするお客さんが減っているのが原因だといったことを、誰かにヒアリングしなくても分かる。

 データを深掘りすれば、ランディングページの訪問者が減ったのは「Google検索」から流入する人が減ったからであり、さらにその原因は、Googleが検索ボックスの下に新しいメニューを出したからだといったことも分かります。

 一般的な企業の経営者が把握している経営情報は膨大で広範なのでしょうが、先に挙げたような(自社と直接関係ない、Googleの新メニューが訪問者減の要因だった)ことには気付きづらいと思います。

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