
複数のゲームやプラットフォームを行き来できるアバターを提供しているエストニア企業のレディ・プレーヤー・ミー(RPM)は、さまざまなクリエーターが構築した複数のメタバースの世界をユーザーが行き来できる世界、つまりオープンワールド型のWeb3.0の世界へ未来が向かうことに、大きく賭けている。
多くのベンチャーキャピタル(VC)が集積する米シリコンバレーのサンドヒルロードから、メタバースがまた大きなお墨付きを得た。
複数のゲームに対応するアバターシステムを手がけるエストニア企業レディ・プレーヤー・ミー(RPM)が2022年8月23日、シリーズBラウンドで5600万ドル(約75億6000万円)の資金調達を完了したと発表した。出資者には、VC大手アンドリーセン・ホロウィッツ、ゲームの米ロブロックスや米ツイッチの共同創業者、著名エンターテイナーであるケビン・ハート氏のベンチャーファンドが名を連ねている。
さまざまな仮想世界に持ち運べるアバター
この直近の資金調達ラウンドで、RPMに対する投資額は合計で7200万ドル(約97億2000万円)に達した(企業評価額がいくらかは開示されなかった)。同社は今回調達した資金を使い、人員を拡充するとともに、開発者中心のツールから転換し、利用者が自分のアバターと関連したアイテム(例えば衣装など)を制作・販売できるユーザー中心のツールへ軸足を移す計画だ。同社のシステムで制作されたアバターは、サポートされたメタバースであればどこでも使うことができ、人々はさまざまな仮想世界に同じルックスを持ち運ぶことができる。
14年に創業されたRPMは現在、ゲーム開発者に対して、開発期間を6カ月から数年短縮できるアバター制作ツールを提供し、プレーヤーが複数のゲームの間で、一定のビジュアルについての一貫性を体験できるようにしている。
「メタバースは1つのゲームでもなければ、1つの場所、1つのプラットフォームでもない」。RPM共同創業者のティム・トーケCEO(最高経営責任者)は米ファスト・カンパニーにこう語った。「メタバースは数千、数百万もの仮想世界のネットワークだ。このためメタバースのユーザーにとっては、1つのゲームに閉じ込められるのではなく、多くの仮想世界を自分と一緒に旅するアバターを持つことが理にかなう。これが、エンドユーザーの抱える課題を解決するために私たちが提示する回答だ」。
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