今回の共同店舗についてファスト・カンパニー記者のマーク・ウィルソン氏は、米スターバックスが“あくどいキツネ”を鶏小屋に招き入れてしまったのと同じと見ている。スタバの判断は正しかったのか。確かめるには少し時間が必要かもしれない。

米スターバックスと米アマゾンが共同で開設した新店舗の入り口(写真/Shutterstock)
米スターバックスと米アマゾンが共同で開設した新店舗の入り口(写真/Shutterstock)

 株式時価総額1330億ドル(約14兆6300億円)の巨大コーヒーチェーン、米スターバックスと1兆8000億ドル(約198兆円)もの時価総額を誇る小売業界の巨人、米アマゾン・ドット・コムが、史上初めて共同店舗の開設でタッグを組んだ。一部がスタバ、一部がスマートストア「Amazon Go(アマゾンゴー)」から成る新店舗がこのほど、米ニューヨーク市マンハッタン地区の59丁目、パーク街とレキシントン街の間にオープンした。

 だが新店舗を見た率直な感想を言えば、人を誘い込む雰囲気がこれほど乏しくなるよう設計されたスタバはなかなか想像できない。

初の共同店舗の内側

 カウンターに向かって歩いていくと、おなじみの木材塗装と備え付けの家具、天然石のカウンタートップ、緑色の布地やタイルが使われているのが分かる。細部までこだわるスターバックスのデザインチームが店舗設計の陣頭指揮を執ったことがはっきり見て取れる。

 「いかにもスタバらしく感じるよう造られている。これはスタバの店舗、スタバのバリスタによって運営されている店舗だ」。スターバックスのグローバル成長・開発担当幹部ケイティ・ヤング氏はこう話す。「意図した通りの出来栄えでスタバらしい感じに仕上がっている」。

 厳密に言えば、このスタバは同社が「ピックアップ・ストア」として分類する店舗で、モバイル注文を優先することを意味する。ただし、ふらっと店に入って注文し、現金かクレジットカードで支払い、商品を購入することもできる。

 コーヒーを受け取ったら、店を出てもいい――。いや、店を出るというよりは、カウンターまでずっと張り巡らされている強化ガラスのゲートにぶつかると言った方がいい。これは防犯に配慮した古典的な造りだ。地下鉄改札口の回転ドアのように、飛び越えない限り、ゲートを回り込むことができないのだ。

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