
ロサンゼルスに本社を構える新興企業スポッターは2019年に限定的に事業を立ち上げ、既に2億ドル(約220億円)以上の資金を“クリエイターエコノミー”につぎ込んだ。これから、その額を倍増させたい考えだ。
多くのクリエイターが参画する“クリエイター経済”は爆発的に成長しているが、その一方で、この成長をけん引しているはずのクリエイターの多くは、自身の生計を支えるだけの収入を必ずしも得ていない。
専門メディア企業インフルエンサー・マーケティング・ハブによると、クリエイターエコノミーの市場規模は1040億ドル(約11兆4400億円)以上と推計されているが、自身をフルタイム勤務者と見なすクリエイターの78%は、年間2万3500ドル(約259万円)しか稼いでいない。これはクリエイターが広告収入やグッズ販売、クリエイター基金、チップなどから、生活できる賃金を稼ぐのに苦労しているというだけの話ではない。自分のビジネスを成長させるための資本を十分に持たないことから生じる困難にも直面しているということだ。
歴史的に言って、古くからある銀行はクリエイターに融資することに慎重で、おかげでベンチャーキャピタリストやフィンテック系スタートアップ企業が隙間を埋める道が開けた。
資金面でクリエイターを支援することを目指す最新の企業の1社が米スポッターだ。
2019年に限定的に事業を立ち上げたスポッターは、動画のバックカタログに対する権利を期間限定で取得する見返りに、YouTube上で活躍するクリエイターに一括払いの資本を提供する(将来アップロードする動画については、クリエイター側が権利と収益を維持する)。
スポッターは独自開発した予測エンジンを使い、動画コンテンツの価値を評価することができ、5万ドル(約550万円)から3000万ドル(約33億円)以上まで、幅広い評価額で過去の動画を引き受けている。同社の報告では、既に2億ドル以上の資金をクリエイターエコノミーにつぎ込み、「Dude Perfect」や「MrBeast」「Donut Media」をはじめとした多くのYouTuberと契約を結んでいる。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー