
イスラエルのスタートアップ企業D-IDは写真に命を吹き込むAI(人工知能)で世界を“ハリーポッター化”したいと考えている。新作SF映画の「レミニセンス」で自分だけの予告編を作り、このAI技術を試してみてはいかが?
皆さんは、自分の愛する人がヒュー・ジャックマン主演の映画に出演できたら、どんなにすてきか考えてみたことがおありだろうか。
米国の人気ドラマ「ウエストワールド」の共同クリエーターとして知られるリサ・ジョイが脚本と監督を手がけ、各地の映画館と配信サービス「HBOマックス(HBO Max)」で公開されたばかりの新作SF映画「レミニセンス」では、ジャックマン演じる科学者ニック・バニスターが、人が再び過去を生きる方法を発見する。
イスラエル・テルアビブに本社を構えるAIスタートアップ企業D-IDのおかげで、この新作は、自分の過去を再び生きるにせよ、今抱いている夢をかなえるにせよ、自分自身を映画に出演させられる日がさほど遠くないかもしれないという前兆を感じさせてくれる。
新次元に入るデジタルマーケティング
D-IDの技術を搭載したレミニセンスの宣伝Webサイト*1が示す通り、ディープフェイク技術を使うと、視聴者は写真を1枚、Web上にアップロードするだけで、写真の人物に命が宿って映画の予告編に登場するところを見ることができる。
「これは新しいタイプの体験だ」。D-ID共同創業者のギル・ペリーCEO(最高経営責任者)は、AIによって生成される、パーソナライズされた映画予告編のコンセプトについて、こう語る。「視聴者が映画に深く関与できる。この体験、つまり映画の中にいる感情を感じることができるからだ」。さらに、視聴者はもちろん、SNSに予告編を投稿して、その体験をシェアすることができ、ひいては映画の宣伝に一役買う。
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