米ファスト・カンパニー

「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンの利点は、素早くアップデートできる能力があることだ。ワクチンメーカー各社は最初に開発した新型コロナウイルスワクチンに自信を持っているが、ウイルスの変異に伴い、ワクチンにも変化が必要になってきている。

独ビオンテックが開発している新型コロナウイルスワクチン(写真提供/Shutterstock)
独ビオンテックが開発している新型コロナウイルスワクチン(写真提供/Shutterstock)
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 極めて感染力が強いデルタ(インド)型の変異ウイルスが一気に拡大し始めると、米製薬大手ファイザーと組んで、最初に使用許可を得た新型コロナウイルスワクチンを開発した独ビオンテックの科学者たちは、デルタ型に的を絞った新しいバージョンを急ぎ開発するために研究所に向かった。

 ビオンテックは、ウイルスの主要たんぱく質の遺伝子情報を利用し、そのたんぱく質を体内で作ってウイルスを破壊する方法を学ぶよう人間の体に教える仕組みである「メッセンジャーRNA(mRNA)」技術を使っているため、ワクチンを改良するには、比較的単純な遺伝子情報(コード)の変更で済む。

プラットフォーム技術になるmRNAの強み

 「今使われているワクチンは、元のウイルスのスパイクたんぱく質の情報が入っている。基本的に我々が唯一やらなければならないことは、この部分を切り取り、デルタ型のスパイクたんぱく質の情報と置き換えることだ」。ビオンテックの共同創業者で、CMO(最高医療責任者)を務めるオズレム・トゥレシ博士はこう話す。

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