米ファスト・カンパニー

鉄道の旅は空の旅よりもCO2(二酸化炭素)排出量が少ないが、移動に時間がかかる。フランスのスタートアップ企業は、ベッド付きの個室と趣のあるバーを備えれば、長時間だけれども環境汚染の少ない旅を、旅行者が選んでくれることを期待している。

新時代の夜行列車が線路上を通過するイメージ(写真提供/Shutterstock)
新時代の夜行列車が線路上を通過するイメージ(写真提供/Shutterstock)

 フランスのパリからイタリアのローマへ行く鉄道の旅は、最長で13時間かかる。これに対して飛行機の直行便なら2時間強で済む。だが、一晩かけてトイレと寝台付きの個室で旅をすることができ、寝る気にならない場合は居心地のいいバーにすぐ行けるのであれば、空の旅よりも鉄道の旅という“体験”を選ぶ人もいるかもしれない。

 少なくともそれが、フランスのスタートアップ企業ミッドナイト・トレインズが打って出ることになる賭けだ。同社は、欧州で最近、数が増えている夜行列車サービスを提供する企業の1つ。鉄道は飛行機よりもカーボンフットプリント(CO2排出量)が格段に少ないため、鉄道旅行が空の旅と互角に競えるようにサービスを向上することが重要だと主張する。

 「世の中に大きなインパクトを与え、空を飛ぶのをやめるよう人々を説得したい」。ミッドナイト・トレインズの共同創業者、ロマン・ペイエ氏はこう話す。「そうするためには、我々は夜行列車の体験とサービスをつくり直さなければならない」。

グレタさんの登場で鉄道人気が復活、政府も転換を後押し

 夜行列車の基本的なコンセプトは、決して目新しいものではない。快適な寝台列車は米国で1860年代に人気を博し、やがて1800年代終盤に欧州でオリエント急行が誕生した。だが、米国よりも都市間を鉄道で移動しやすい欧州でさえ、つい最近まで夜行列車の人気は低下の一途をたどっていた。2015年にはドイツの鉄道会社ドイチェ・バーンが「シティー・ナイト・ライン」を廃止した。格安航空会社(LCC)が超の字が付くほど安いチケットを提供するようになり、赤字を出していた夜行列車サービスだ(その後、オーストリアの国営鉄道会社が路線を引き継ぎ、車両を近代化して「ナイトジェット」と改称している)。

このコンテンツ・機能は会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
5
この記事をいいね!する