米ファスト・カンパニー

企業は商品を一括して物流ハブに配送し、そこから顧客の玄関先まで届けるために、よりサステナブル(持続可能)な配送手段を利用できる。これは新たなデリバリーベース経済を目指して現況を改善するための実験だ。

将来は地区ごとに設置された物流ハブから、電動ロボットなどサステナブル(持続可能)な配送手段で、顧客の家までものが運ばれるようになる可能性が高い。画像はそのイメージ(写真提供/Shutterstock)
将来は地区ごとに設置された物流ハブから、電動ロボットなどサステナブル(持続可能)な配送手段で、顧客の家までものが運ばれるようになる可能性が高い。画像はそのイメージ(写真提供/Shutterstock)
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 各国の企業と政府が、爆発的に拡大するEC経済をより環境に優しいものにする戦略を立てている。その際、商品の旅の「ラストマイル」(つまり物流ハブから顧客まで届ける最後の段階)が現在、最も容易なターゲットに見える。人口密度が高く、移動距離が短いおかげで、荷物を消費者の手元に届けるために電気自動車(EV)やマイクロモビリティーの選択肢を利用できる都市部では、特にそうだ。

「地区サイズの配送モデル」のパイロット実験

 米ワシントン州シアトル市は、配送のラストマイル部分で二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指す多様な物流戦略を試すための実験場を立ち上げることで、この可能性を模索している。さまざまなパートナーを集めた実験場は、カーゴバイク(運搬用自転車)やEV、パレット、フードトラックの拠点となる「マイクロハブ」として設計されている。小売りの性質が変わるなかで、「地区サイズの配送モデル」への転換を促す米国初のパイロット実験の1つになる。シアトル市の運輸局も参加していることから、この実験は2050年までにカーボンニュートラル(炭素中立)の達成を目指す同市の気候変動目標とも合致する。