米ファスト・カンパニー

最初はラップ歌手トラビス・スコットだった。今度はKポップのスーパースターと組み、特製メニューのアイデアが世界規模でどんなふうに見えるか試している。その後も、マクドナルドがこの新しいマーケティング作戦を推し進めていくのは確実だ。

マレーシアで展開されているマクドナルドとBTSのコラボによる「BTSミール」(写真提供/Shutterstock)
マレーシアで展開されているマクドナルドとBTSのコラボによる「BTSミール」(写真提供/Shutterstock)

 ついに登場した。米マクドナルドが韓国ポップミュージックのスーパースター「BTS(防弾少年団)」とタッグを組んだ待望の「フェイマス・オーダー」を売り出した。世界およそ50カ国・地域のファンが「BTSミール」を注文できる(日本は今のところ含まれていなチキンチキンマックナゲット10ピース、Mサイズのマックフライポテト、Mサイズのドリンクに、米国では初めて、マクドナルド韓国で人気のディップソースから取り入れた「スイートチリ」味と「ケイジャン」味のソースが添えられたセットメニューだ。

 人気ラップ歌手トラビス・スコットと組んだ2020年9月のパートナーシップの先例にならい、マクドナルドはTシャツやパーカ、サンダルのほか、バスローブや傘といった少々風変わりなアイテムを含む限定商品(コレクション)についてもBTSと組んだ。コレクションは21年5月26日に発売され、ファンがグッズを手に入れるには「ウィバース・ショップ」のアプリをダウンロードしなければならない。さらに、発売日から4週間、米国のマクドナルドのアプリ経由でBTSのデジタルコンテンツを独占的に販売する。

 BTSとパートナーシップを結び、かつ世界的な規模で展開している背景には、トラビス・スコットとコロンビアの人気歌手J・バルヴィンと組んだ20年秋の特製ミール契約が米国で大きな成功を収めたことがある。米マクドナルドのモーガン・フラットリーCMO(最高マーケティング責任者)によると、全世界のマーケティング責任者を相手にこれらのフェイマス・オーダーの成果を発表した後(同氏は具体的なデータを公に明かすことは拒んだ)、誰もが参加を望み、約50市場がBTSとのパートナーシップに参加することになった。

 BTSとのコラボレーションは、マクドナルドが今後も「看板マーケティング作戦」として、有名人の名前と自社のメニュー、ブランドを結びつけていく計画を持ち、今後、展開していくであろう内容をも示唆している。

新ブランド戦略の柱をなすマーケティング作戦

 マクドナルドは20年に、社内で「Accelerating the Arches(アーチを加速させる)」と呼ばれる大々的な新ブランド戦略を打ち出した。大きな柱の1つが、「新しい、文化と結びついたアプローチに投資する」ことにより、多くの顧客を熱心なファンにすることだった。20年、トラビス・スコットと組んだことで、マクドナルドは自社ブランドが音楽など文化の領域にも浸透できることに目が覚め、その意欲を増しただけでなく、呼び込みたいと思っている当のファンに、マクドナルドに関わる何らかのコンテンツをつくってもらうことの威力も思い知った。そして売り上げも4.6%伸ばした。

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