「あなたのスニーカーは地球を汚している」。アディダスとオールバーズが挑戦した新たなこのシューズは、「ビッグマック」1個分よりも炭素排出量が少ない。競争よりも協力を選び、究極的に低炭素で環境に優しいスニーカーを開発した両社の取り組みとは?

アディダスとオールバーズが共同で開発を進める、究極の低炭素排出スニーカーのイメージ(写真/オールバーズ日本法人Webサイトより)
アディダスとオールバーズが共同で開発を進める、究極の低炭素排出スニーカーのイメージ(写真/オールバーズ日本法人Webサイトより)

 2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)の真っ最中に、スニーカー世界大手の独アディダスとサステナブル(持続可能)なD2Cシューズブランドの米オールバーズが、世界一サステナブルなスニーカーを作るためにタッグを組むと発表した。そのシューズがこのほど初めて披露された。

 商品名は「FUTURECRAFT.FOOTPRINT(フューチャークラフト・フットプリント)」。13年に発表された米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究では、平均的なスニーカーのカーボンフットプリント(CFP、商品の生産から廃棄に至るライフサイクル全体で排出される二酸化炭素=CO2の排出量)は、約13キログラム(マクドナルドの「ビッグマック」約3.5個分と同等)とされている。これに対し、FUTURECRAFT.FOOTPRINTは1足当たりのCFPが3キログラム未満。正確に言えば2.94キログラムで、この数字がすべてのシューズに手で書かれている。

デザインする時間をかけず、商品に手書きで記入

 なぜ手書きなのか。開発チームの話によると、土壇場までシューズの細部を磨き上げるのに忙しく、文字のデザインを決定する時間がなかったからだ。

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