
製薬大手米ファイザーのアルバート・ブーラCEO(最高経営責任者)は、米ファスト・カンパニー編集長のステファニー・メータとのインタビューで、記録的なスピードで有効性が極めて高いコロナワクチンを開発できた理由として、素早い意思決定と科学への信頼、AI(人工知能)ソフトウエアの3つを挙げた。
2020年、米ファイザーは大変な難題に挑戦する製薬会社数社のうちの1社だった。通常かかる開発期間の数分の1の時間で、人の命を救うワクチンを開発することだ。20年を通して、何十万人もの人が新型コロナウイルス感染症によって命を落とす中、ファイザーなどの製薬会社はワクチン候補の臨床試験(治験)を進めた。
そしてファイザーは記録的な短時間で95%の有効性があるワクチンの開発に成功したことで、パートナー企業の独ビオンテックと別のワクチンメーカー、米モデルナと並び、本誌ファスト・カンパニーが選ぶ21年版「最もイノベーティブな企業」リストのトップを飾った。
ファイザーのアルバート・ブーラCEOとワクチン研究を率いたキャスリン・ジャンセン氏がこのほど、ファスト・カンパニーが初めて主催したバーチャルイベント「最もイノベーティブな企業サミット」に参加し、ファスト・カンパニー編集長のステファニー・メータとともに、同社がいかにしてこれほど素早く効果的なワクチンを開発できたかについて語った。
官僚主義を排し、“科学のスピード”で決断
「科学者が最も嫌うものは、官僚主義だ」とブーラ氏は言う。「イノベーションと官僚主義は水と油だ」。
この記事は会員限定(無料)です。