
米国では今、複数の企業が消費者に、炭素ラベルという形を取って、自分が使っている商品の完全な「カーボンフットプリント」(CF)を見る手段を与えている。だが、CFの正確な測定は難しいこともある。
独立系の化粧品ブランド「ココカインド(cocokind)」の包装の片面に、サステナビリティー(持続可能性)に関する事実の長いリストが栄養素ラベルのように示されている。商品の中身について、1回の使用につき24.5グラムのカーボンフットプリント(CF)がある、と説明されている(編集部注:カーボンフットプリントとは、商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温暖化ガスの排出量をCO2に換算して示したもの)。ココカインドが示しているのは「炭素ラベル」と呼ばれ、同社は最近、このラベルを利用し始めた企業の1社だ。
宣伝文句を数値で裏付け
「私たちは、自分たちが『クリーン』だとか『サステナブル』だと言ってきた」。ココカインド創業者のプリシラ・ツァイ氏はこう話す。「そのこと自体は妥当だと思っているが、そのような言葉が業界で野放図に使われるようになり、それが何を意味するかは明らかに規制されていない。そこで、そうした言葉をもう漫然と使うわけにはいかないことに気づいた。そしてサステナビリティーなどを社内でどう測定すればいいか、世の中にどう伝えればいいか、教育の負担を消費者ではなくブランド側が負うようにするにはどうすればいいか、これらを考える必要があることにも気づいた」。
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