米ファスト・カンパニー

2021年1月下旬に米ゲームストップ株に殺到した買いの動きは、多くの人をSNS上の政治活動に走らせたのと同じく、大衆の怒りにあおられた動きだった。その後の展開も、大衆の不満を増幅させる結果になっているかもしれない。

2021年1月末に急騰した米ゲームストップの株価推移を示したイメージ(写真/Shutterstock)
2021年1月末に急騰した米ゲームストップの株価推移を示したイメージ(写真/Shutterstock)

 30年前、インターネットがまだなかった時代には、こんなことは何一つ起きようがなかった。SNS掲示板「レディット」の中の「ウォールストリート・ベッツ」という投資フォーラムに参加する個人投資家のグループが徒党を組み、ゲーム専門店ゲームストップの株式を買った。一緒になれば株価をつり上げることができ、ヘッジファンドや機関投資家を含む空売り筋が究極的に損をすると期待してのことだ。

エリートに対する「庶民」の反乱

 SNS分析会社トークウォーカーによると、ゲームストップに関する話題は2021年1月半ばにレディット上で始まり、その後、同社に言及するコメント数の増加は株価の上昇と比例した。年明けに1株17.25ドル(約1800円)だったゲームストップ株は1月半ばに上げ始め、同月27日には347.51ドル(約3万6500円)を付けた。

 株を買うためにロビンフッドやウィーブルといった個人向け売買アプリを利用したウォールストリート・ベッツの投資家はお金をもうけ、空売りで損失を抱えたウォール街のエリート投資家に一矢報いたことを楽しんでいた。

 「25歳の若者の集団が、ゲームストップ株を買うために銀行口座から200ドル(約2万1000円)を送金するのはいとも簡単で、しかも売買(手数料)は無料だ」。市場情報をヘッジファンドに提供している政治データ科学会社オプティマス・アナリティクスのスコット・トランターCEO(最高経営責任者)はこう話す。「携帯電話でゲームをするようなものだ」。

 集団で一斉に特定の銘柄を買う投資行動が、すぐに他の銘柄に広がり始めた。多くの個人投資家が買いに回るに従い、アメリカン航空や映画館運営のAMCエンターテインメント・ホールディングス、カナダのブラックベリー、家電量販店ベストバイ、菓子大手トッツィー・ロール・インダストリーズといった企業の株価が上がり始めた。

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