
世界中で働く1万1000人のデザイナーを対象に実施された調査は、2020年にフリーランスでいることがいかに厳しかったかを浮き彫りにしている。そしてフリーランスデザイナーが陥っている苦境は、さまざまな分野のクリエイティブ系フリーランサーが直面する困難を映し出している。
フリーランスデザイナーは新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)をどう乗り切ってきたのだろうか。世界147カ国で働く1万1000人以上のフリーランスデザイナーを対象に実施された新たな調査は、悲惨な現状を描き出している。
調査を実施したのは、フリーランスデザイナーとクライアントを結びつけるプラットフォームを運営するオーストラリアの99デザインズだ。調査では、回答者の3分の1が2020年に安定した仕事を見つけるのに苦労し、4分の1が少なくとも1つのプロジェクトをキャンセルもしくは保留される目に遭い、クライアントの27%が予算を削減したことが分かった。特に悲しい数字は、回答者の22%が、請け負った仕事の一部を納めた後にクライアントに逃げられたことだ。
政府の支援受けられず、仕事探しに苦労
多くの意味で、フリーランサーやギグワーカーは、パンデミック中にフルタイムの従業員よりも影響を受けやすかった。フランス、ドイツ、オランダをはじめとした欧州諸国では、従業員の雇用を維持するために、政府が給料の一部を負担した。だが、こうした制度は一般的に、多くのフリーランサーには適用されなかった。
99デザインズの調査では、20年に自国政府から給付金を受け取った人は、調査対象のフリーランサーの16%にとどまった。推定で42%の回答者が積極的に雇用先を探していると答え、32%がコロナ禍のためにデザイン以外の仕事を探すことを検討した。
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