
知る人ぞ知る先端農業大国オランダ。既存の食肉企業の巻き込み方や、研究開発の進め方など、欧州の小国が人工肉産業を育成している方法から、米国をはじめとする他国はフードテックの最新事情を学ぶことができる。
国土面積は小さいが、オランダは世界の食品産業における大国だ。米ノースカロライナ州の半分以下の広さしかないにもかかわらず、ジャガイモ、タマネギ、野菜の種などの生産大国で、ドル換算した場合、米国に次ぐ世界第2位の農産物輸出国になる。
そのオランダが最近、世界に植物を与えるだけでなく、植物由来のたんぱく質を食べさせることにも専念している。
企業と研究所が集積する「食のシリコンバレー」
オランダには既に、植物性たんぱく質に重点を置く企業や研究機関が60社・団体以上存在している。ベジタリアンブッチャーのようなオランダ生まれの企業もあれば、2020年に共同製造設備と生産拠点を現地に開設するビヨンド・ミートといった米国ブランドもある。
ビーガン(完全菜食主義者)対応のチーズ会社バイオライフや「I Can't Believe It's Not Butter!(バターじゃないなんて信じられない!)」のような植物由来スプレッドを傘下に抱えるアップフィールドは、20年夏、5000万ユーロ(約61億円)を投資して、植物由来食品の未来に特化した研究機関「フード・サイエンス・センター」を立ち上げると発表した。
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