
コロナ禍の影響で在宅勤務が急激に広がるなか、自宅の間に合わせの椅子で腰を痛める人も多いのではないだろうか。米ハーマンミラーがオープンした新店舗は、仕事用の椅子を買う前に、試しに座れるよう人間工学の専門家をそろえている。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)によって多くの店舗が閉鎖を強いられたが、創業115年の歴史を持つデザイン会社ハーマンミラーは逆方向に向かっている。同社は今月、売り場面積約140平方メートルの新店舗を米ロサンゼルスとニューヨークにオープン。顧客が同ブランドの有名なデスクチェアに試しに腰かけられるようにし、人間工学の専門家が洞察を与える。
ハーマンミラーは、この種の対面コンサルテーションが重要だと考えている。同社のオフィスチェアはさまざまな体形や仕事のスタイルに合わせて設計されているが、実際に腰かけてみるまで、どのタイプの椅子が自分に合っているのか、なかなか分からないからだ。店舗では、通気性の高いメッシュ素材が使われたアイコニックな「アーロンチェア」に座ってくるくる回ってみたり、高機能な背もたれの付いた「セイルチェア」にもたれかかったりすることができる。
「人によっては仕事をしながらもぞもぞ動くため、動きに適応する椅子が必要になる」。ハーマンミラーの小売部門トップ、デビー・プロプスト氏はこう話す。「あまり動かない人もいるが、そうした人は何時間もじっと座っているため、しっかりした背もたれが必要になる」。
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