
ドイツのeモビリティー企業オノが提供するeバイク(電動アシスト自転車)は、各地の道路から多くの配送トラックを消し去り、都市部の渋滞を減らすことができるかもしれない。
「オノ(Ono)」という名のドイツのスタートアップ企業が投入する新しい配送車両は、横から見ると小さなトラックのように見える。だが、実はeバイク(電動アシスト自転車)で、交通渋滞を楽にすり抜け、必要なときには自転車専用レーンに収まるくらい、正面から見たときの幅が狭い。
ますます多くの物流企業が今、EV(電気自動車)へシフトし、例えば大量の配送を手がける米アマゾン・ドット・コムは、ドイツのメルセデス・ベンツのEVバン1800台に加え、EVスタートアップの米リビアンにも特注の配送用EVバンを10万台発注している。そんな中、オノは車両のサイズも重要だと主張する。道路が既に渋滞している時間帯に、オンラインショッピングのために動く配送車両が急増しているためだ。
排ガスを削減し、配送による渋滞も解消
「EVトラックと比べると、オノ車の物理的なフットプリント(占有スペース)は4分の1にとどまる」。オノのベレス・ジールバッハCEO(最高経営責任者)はこう語る。「このため、交通渋滞をさらに引き起こすことはない。運転するのもはるかに容易で、道路状況に柔軟に対応できる」。維持管理もEVトラックより安上がりだ。そして、他のEVと同様、排ガスと大気汚染の問題も発生しない。
米ワシントン州シアトルで実施された最近の調査では、配送ドライバーは少なくとも稼働時間の28%を駐車スペース探しに費やしていることが分かった。見つからないときには往々にして、不法駐車により交通を妨げることになる。テキサスA&M大学の別の研究では、トラックは交通量の7%前後を占める一方で、交通渋滞の28%を占めることが分かった。そして、他の大型車両と同じように、トラックは自ら渋滞にはまる。
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