米ファスト・カンパニー

複数のテレビ番組を束ねて視聴者に提供する番組供給事業者(コンテンツプロバイダー)は常に、テレビネットワークからの無理な要求を受けてきた。ストリーミング(動画配信)時代に入ってからも、それは変わらない。それでも、もっと安価なオプションが出てくる可能性はある。

YouTube TVのイメージ(写真/Shutterstock)
YouTube TVのイメージ(写真/Shutterstock)

 2020年6月30日、米ユーチューブの有料動画配信サービス「YouTube TV」が、米国内で過去最大の大幅値上げを発表したとき、その反応は完全に予想通りだった。

 「MTV」や「Comedy Central」など大手メディア企業バイアコムCBS系列のチャンネルを多々加え、月額料金を50ドル(約5250円)から65ドル(約6825円)に値上げした後、ユーチューブはTwitter上で、値上げは自分たちの責任ではないことを説明した。YouTube TVとしては、ユーザーが好きなチャンネルだけにお金を払うアラカルト式パッケージを提供したいが、それが許されないのだという。「大半の(テレビ)ネットワークは、我々が契約者に対してネットワーク傘下チャンネルの『完全なポートフォリオ(傘下の全チャンネルをそろえた一括契約)』を含めることを要求してくるため、サービスの料金全体が高くなる」と同社は書いた。

 この説明は、契約者に好意的に受け止められなかった。「おい、@ユーチューブ、お前は俺が大喜びで背を向けたものになってきた。要らないのにお金を払わなければならないチャンネルがたくさんある高いケーブルテレビパッケージと同じだ」と、あるユーザーはコメントした。

 「35ドル(約3675円)の基本料金を餌に加入を促し、実際には(月額料金を値上げして)全員の負担をつり上げることで、YouTube TVは完全に1990年代のケーブルテレビになった。我々は見もしないくずコンテンツのためにお金を払っているんだから」と別のユーザーは書いている。

 だが、ユーチューブの主張は正しい。どんどん上がり続ける料金について本当に責めを負うべきは、同社のようなサービスではなく、傘下のチャンネルを分割して、小さく柔軟なパッケージにするのを嫌がるバイアコムCBSなどのテレビネットワークだ。これはケーブルテレビが番組供給事業者の主流だった時代に働いたものと同じ力学だが、強い価格交渉力をネットワーク側に与えた一連のM&A(企業の合併・買収)によっても拍車がかかった。

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