米ファスト・カンパニー

オンラインショッピングの翌日配送を巡る問題はもちろん日本以外でも起こっている。急ぐあまり、輸送システムに大きな無駄が生じる。新興配送会社の豪センドルは、この非効率性を逆手に取りトラックのスペースを安く確保。1日待てるなら配送の炭素排出を相殺する安価なサービスを提供する。

他社トラックの空きスペースを活用(写真はイメージ、写真/Shutterstock)
他社トラックの空きスペースを活用(写真はイメージ、写真/Shutterstock)

 消費者がますます迅速な配送を求めるようになるなか、翌日配送に間に合わせようとする配送業者は荷物をそれほど効率的に積み込まない。つまり、トラックは荷台に余分なスペースを残したまま、配送先を巡回するということだ。これは、個々の荷物のカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)が大きいことも意味している。だが、Sendle(センドル)というオーストラリアの新興配送会社のサービスは、この無駄になりがちなスペースを有効活用するよう設計されている。

カーボンニュートラルとお金の節約は両立できる

 2019年11月26日に米国でサービス提供を開始したセンドルは、小規模な企業の配送を担うために、他の輸送会社のトラックの空きスペースを買い取る。また、個々の荷物について炭素排出枠を購入して環境への影響を相殺しているため、事業活動に伴う二酸化炭素の純排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」を100%実現した米国初の全国配送サービスとなる。

 余分なスペースを活用することで、サービスを安価に提供している。「カーボンニュートラルか、お金の節約かの二者択一である必要はない」。センドルの共同創業者でCEO(最高経営責任者)を務めるジェームズ・チン・ムーディー氏はこう語る。「実際、両立することができる」。

 社会貢献型企業に与えられる「Bコーポレーション」という認証制度を受けているセンドルは、創業者たちが個人による中古品の寄付を手助けするために立ち上げた別のプラットフォームから独立した企業だ。信頼性が高く、料金が手ごろな配送サービスを見つけられなかったため、新たな配送オプションを自ら開発することにした。これが人気を博したことから、他社にも配送サービスを提供し始めた。重点を置いたのは、米EC(電子商取引)企業のEtsy(エッツィー)やeBay(イーベイ)などが提供するプラットフォーム上で小規模な事業を手掛ける売り手だ。

米国では、まず郵便公社と連携

 ムーディー氏によれば、こうした顧客は「配送スピードとコストの適切なミックス」を模索しており、必ずしも翌日配送のオプションを必要としていない。センドルは2日ないし3日以内の配送に焦点を合わせている。米国では、まず米郵政公社(USPS)のトラックの空きスペースを買う(米アマゾン・ドット・コムが最近USPSの利用量を削減したため、空きスペースが増えている)。このため当面、荷物は郵便配達員が届けてくれる。将来は、米UPSや米フェデックスといった物流大手とも協力する可能性がある。

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