米ファスト・カンパニー

ドイツの大学で人間の神経系と同じような働きをする人工皮膚が開発された。触覚、痛覚、圧覚、温覚など人間の皮膚には500万個もの受容器があるという。ただ服を着た後、肌が衣服と接触しているのを常に意識する人はいない。脳の遮断機能を再現し、優しくハグできるロボット誕生への道を開いた。

ロボットはどこまで人に近づけるか(写真はイメージ、写真/Shutterstock)
ロボットはどこまで人に近づけるか(写真はイメージ、写真/Shutterstock)

 このロボット自体は、ホンダの2足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」と、コナミアミューズメントの体感ゲーム「ダンスダンスレボリューション」のぴかぴか光るパッドを掛け合わせたような風貌をしている。言い換えれば、典型的な白いプラスチック製の人型ロボットということだ。ただし、1つひねりが加えられている。独ミュンヘン工科大学の新しい研究の一環として開発された「H-1」は、胴体からつま先まで人工皮膚に包まれた史上初のロボットなのだ(ロボットの写真や動画は原文参照)。

 光を放つ六角形の人工皮膚コートのおかげで、ロボットは人間と同じように「感じる」ことができ、その結果、これまでよりずっと人間らしい行動が取れるようになる。

ロボットが人を優しく抱きしめる

 腕と胴体に感覚があるため、H-1は安全に人をハグすることができる。足の裏で地面を感知するため、片足でも楽にバランスを取れる。この種の感覚は、人間にとっては当たり前のことだ。だがこれまで、工場の組み立てラインで鉄を溶接したり、自動車に塗装したりする産業用ロボットにはそれほど必要ではなかった。

 しかし科学者たちが、人間と一緒に暮らし、病人や老人の介護をするロボットを想像するようになった今、ただ単に完璧に振り付けされた動作でロボットを操作したり、並外れた視覚技術をロボットに与えたりするだけでは十分ではない。ロボットが人間と絶えず接触するようになるなら、安全性のためにこの種の物理的な共感が必要になる。

 センサーでできたロボットの皮膚と聞いても、あまりすごいことに思えないかもしれない。何しろセンサーは最近、ごくありふれたものになっているからだ。携帯電話には、温度から圧力、位置まで、さまざまな状況を感知する多数のセンサーが入っている。商業ベースでは、こうしたセンサーは1個当たり数セントで手に入る。

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