米Netflixにプロダクトプレイスメント続々?【海外提携誌】(画像)

米ネットフリックスが番組中に特定商品を映り込ませるプロダクトプレイスメントに積極的だ。人気番組「ストレンジャー・シングス」でも大きく展開した。ただ当該企業からは決してお金を受け取っていないと主張する。真の狙いはどこにあるのかを探った。

 最近、コンケイブ・ブランド・トラッキングという調査会社のリポートが、米動画配信大手ネットフリックスから思わぬ関心を抱かれた。人気ドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス」のシーズン3に約1500万ドル相当のプロダクトプレイスメント(PP、商品を映像に映り込ませる広告手法)が含まれていたとするリポートだ。

米ネットフリックスはプロダクトプレイスメントでお金を受け取っていないと主張する(写真/Shutterstock)
米ネットフリックスはプロダクトプレイスメントでお金を受け取っていないと主張する(写真/Shutterstock)

 ネットフリックスはリポートの内容に反発し、コカ・コーラやバーガーキングなど、番組に登場したブランドから一切お金を受け取っていないとコンケイブに伝えた。コンケイブのドミニク・アルツロウニ社長いわく「非常に礼儀正しい話し合い」の後、同社はリポートにネットフリックス側のコメントを追加し、ストレンジャー・シングスのシーズン3に出てきた商品・サービスは第三者による宣伝やPPではないと記した。ネットフリックスの声明は、「プロダクトはすべて、1980年代の消費文化、ポップカルチャーを描くザ・ダファー・ブラザーズの物語の一環だ」としている。

 「ネットフリックスは本当に、『身売り』しているというイメージと距離を置きたいようだ」とアルツロウニ氏は言う。

 ほかの場所にも似たような否定コメントが出てきた。VoxメディアとCBSマネーウオッチはストレンジャー・シングスのPPに関するニュース記事でネットフリックスの上記コメントを使っており、番組制作者であるマット・ダファー、ロス・ダファーの兄弟はニューヨーク・タイムズ紙の取材で、シーズン3に出てきたどのブランドからも売上高の分配を受け取っていないと述べた。

 ネットフリックスは1年前の記事についてもCNBCに連絡し、ストレンジャー・シングスのシーズン2でケンタッキー・フライド・チキンを取り上げるためにお金を受け取っていないことを明確にしている。

広告ではない、と主張する

 ただお金を受け取っているかどうかにかかわらず、ブランドとの関係から得られる利益は大きい。四半期決算で米国の契約者数が減少した後とあっては、なおのことだ。ストレンジャー・シングスに出てきたいくつかのブランドは、自社のマーケティング策の中で番組を宣伝するために多額の資金を投じており、結果的にネットフリックスの契約者獲得に貢献する「お返し」になっている。

 将来のヒット作品のマーケティングを強化するために、もっとネットフリックスはPPに頼ることもできる。その意味では、ストレンジャー・シングスは将来像の青写真なのかもしれない。

 コンテンツマーケティング会社のハリウッド・ブランデッドのステイシー・ジョーンズCEO(最高経営責任者)は、商品・サービスがテレビ番組に登場する方法は、主に3つあると説明する。

 伝統的なPPでは、企業が自社商品を番組に貸したり、提供したりする。制作会社が自前で買わずに済むよう、例えば飲料会社が番組に水やソフトドリンクを提供する場合もあれば、携帯電話メーカーが撮影用の端末を貸し出すこともある。こうしたケースでは、制作会社の最大の目標は一部の経費を相殺し、予算オーバーを防ぐことだ。

 ジョーンズ氏によれば、より正式な形のPPは、番組でもっと目立つ役を確保するために企業側が手数料を支払う「ブランド・インテグレーション」だ。2000年代初めのリアリティーTVの全盛期に本格的に始まったこうした手法は、番組内で商品ロゴがクローズアップされるシーンや商品の名前が出てくるセリフが保証されたりする。

 そして最後に、ブランドが販促のPPの見返りに自社のマーケティングチャネルで番組を宣伝する「コ・プロモーション(共同販促)マーケティング」がある。ジェームズ・ボンド映画の「007スカイフォール」では、オランダのビール大手ハイネケンがPPに4500万ドルつぎ込んだとの見方もあるが、制作サイドがこれで4500万ドル稼いだわけではない。スカイフォールはむしろ、映画にも言及するビール広告にハイネケンが数百万ドルもつぎ込んだことから恩恵を受けた。

 ジョーンズ氏によれば、このアプローチはテレビ番組よりも映画で一般的な傾向がある。が、ネットフリックスのような動画配信サービスの登場で事情が変わりつつあると言う。こうした番組のフルシーズン公開は、新作映画の公開と同じインパクトがあるからだ。

 ジョーンズ氏いわく、ネットフリックスの番組は──独自で手掛けるにせよ制作会社経由にせよ──あらゆるレベルのPPを手掛けてきたが、ストレンジャー・シングスは主に共同販促カテゴリーに入り、ストレンジャー・シングスを現実世界で宣伝してもらう見返りに、番組でブランドを取り上げている。

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