2~4回目ではライドシェアのビジネスモデルに関して具体的にご紹介した。今回と次回はウーバーやリフトがビッグデータを活用して、乗客や運転手の行動をいかに変えて最適化しているかを説明する。
ウーバーやリフトでは社内の優れた人材や外部のテクノロジーベンダーの協力を得て、乗客や運転手のミクロやマクロな行動をビッグデータ処理したり、見える化したりしている。それらを基に行動を変えるための様々なアクションが練られている。
ダイナミックな価格で需給を調整する
料金の動的な調整は、需要(乗客)と供給(運転手)をバランスさせるために米国では一般的となっている。これをウーバーは「バリアブル・サージ・プライシング」、リフトは「プライム・タイム」と呼んでいる。
右の画面はウーバーの例だが「fares are a lot higher than usual(料金が通常よりも非常に高くなっています)」と表示され、4倍程度の値段に跳ね上がっている。従来は顧客のアプリに「4倍になるけどいいですか?」といったボタンを表示し、承諾させていたこともあった。今はそうした画面は出していない。
例えば、大みそかに遅くまでパーティーをして、ウーバーを呼んだらサージで10倍の料金となることもあった。「正月早々気分が悪い」とお客様には不評だったが、一方で運転手に大みそかの夜に仕事をさせるためには必要な仕組みでもある。
乗客は急いでいる時や他に移動手段がない場合には利用せざるを得ない。余裕があればサージが収まるまでしばらく時間を潰すか、サージが適用されなさそうな場所まで数ブロック歩くこともあるだろう。
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