※日経ソフトウエア 2018年11月号の記事を再構成

ディープラーニングに代表される機械学習が、数式が苦手な人でも“ざっくり分かる”、プログラミングおよびソフトウエア開発の専門誌である「日経ソフトウエア」による連載講座。第1回は基礎知識として、AI(人工知能)発展の歴史を振り返る。

 AIやディープラーニングという言葉をよく耳にするようになった。機械学習は、AIの重要な概念で、明示的にプログラムで指示をせずに、データを基に機械(コンピューター)に学習させる技術だ。機械学習にはさまざまなアルゴリズムが使われており、今話題のディープラーニングも機械学習の一手法となる。ここでは、代表的な機械学習のアルゴリズムについて、概要や利用シーンを解説する。

AI、機械学習、ディープラーニングの関係

 ここ数年、AI(Artificial Intelligence)に注目が集まっている。AIという概念は決して新しいものではなく、1956年にダートマス大学で開催されたダートマス会議で、初めてAIという用語が使われ、AIという研究分野が確立した。第1次AIブームは1970年代半ばまで続いたが、現実の問題より格段に単純なパズルしか解けないことが分かり、ブームが終わった。

 1980年代には、現実の問題を解くために開発された「エキスパートシステム」が登場し、第2次AIブームが到来した。エキスパートシステムは、専門家の知識を機械に教え込むことで、問題を解かせようとするもの。例えば、専門医の知識をコンピューターに覚え込ませれば、患者の症状を尋ねていくことで、病名を絞り込むことができる。しかし、エキスパートシステムも、現実の複雑で曖昧な事例には対処できず、またもブームは終わった。この第2次AIブームの時に、機械学習(Machine Learning)という考え方が登場した。

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